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千葉ロッテの佐々木朗希がボール判定に思わず苦笑いしたことが発端となり白井球審がマウンドにまで詰め寄る騒動に発展した(資料写真・黒田史夫)
千葉ロッテの佐々木朗希がボール判定に思わず苦笑いしたことが発端となり白井球審がマウンドにまで詰め寄る騒動に発展した(資料写真・黒田史夫)

佐々木朗希の判定不服「苦笑い」と白井球審の“激高”詰め寄り事件の賛否…一体誰の何が問題だったのか?

公認野球規則では8.02の(a)で「審判員の裁定」をこう定めている。

「打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいは走者がアウトかセーフかという裁定に限らず、審判員の判断に基づく裁定は最終のものであるから、プレーヤー、監督、コーチまたは控えのプレーヤーが、その裁定に対して、異議を唱えることは許されない」

さらに「原注」として、こんな文言が綴られている。

「ボール、ストライクの判定について異議を唱えるためにプレーヤーが守備位置または塁を離れたり、監督またはコーチがベンチまたはコーチスボックスを離れることは許されない。もし、宣告に異議を唱えるために本塁に向かってスタートすれば、警告が発せられる。警告にもかかわらず本塁に近づけば、試合から除かれる」

 佐々木は小さなアクションと苦笑いを浮かべただけで何も異議を唱えたわけではない。

 日本ハムの2年目右腕、伊藤大海(24)が16日のロッテ戦できわどいコースをボールと判定されて思わずマウンドを降り、グラウンド上で“土下座ポーズ”をした。この時はその行動が「異議」と判断されて球審から注意を受けているが、佐々木の「苦笑い」とは明らかに行動が違う。苦笑いや小さなアクションを「異議」と判断したとすれば、それは拡大解釈しすぎだろう。「8.01審判員の資格と権限」の(d)に「審判員は、プレーヤー、コーチ、監督または控えのプレーヤーが裁定に異議を唱えたり、スポーツマンらしくない言動をとった場合には、その出場資格を奪って、試合から除く権限を持つ」とある。

 スポーツマンらしくない言動にあてはめるにも拡大解釈だろう。

 感情的になったと見られても仕方がない。抗議のつもりもなかったのに44歳の球審に血相を変えて詰め寄られた20歳の佐々木の精神的ショックも大きかっただろう。

 この白井球審の行き過ぎとも取れる行動に対してネット上は批判が殺到した。

 井口監督は、試合後にも、佐々木の表情を含めたリアクションが発端だったのでは、と尋ねたメディアに対して「そこは審判が流すところなので」と語っている。

 白井球審は、試合後にコメントをしなかったが、最も大切にするべきファンを混乱させるような中断を招いてしまった行動には問題は残る。白井球審の行動は大人げなかったし、3年目の佐々木やルーキーの松川に対しての高圧的な姿には違和感があった。

 

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