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大谷翔平がホワイトソックス戦で6回二死まで11奪三振無失点の好投で7勝目をマークした(写真・AP/アフロ)
大谷翔平がホワイトソックス戦で6回二死まで11奪三振無失点の好投で7勝目をマークした(写真・AP/アフロ)

全米メディアは大谷翔平の11奪三振無失点の7勝目を「6月MVP当確」と称賛…ホ軍”名将”ラルーサも「本物のピッチャー」と敬意

 

MLB公式サイトは2000年以降のメジャー記録を引っ張り出してきた。

 タイトルで「大谷は11個の三振を積み重ね、壮大な6月を締めくくった」と打った記事のなかで、大谷の直近3試合の投球を次のように称賛している。

「大谷は3試合連続で相手打線を無失点に抑え、打者30人を三振に仕留めた。2000年以降のMLBで、その偉業を達成したピッチャーはわずか9人しかいない。それだけでも十分に印象的なのに、大谷はその間に打者として4本の本塁打を放っている」

 ホワイトソックス戦を終えた時点で大谷の投球回数は「74」に、奪三振数は前述したように「101」に達した。MLB公式サイトは、大谷の9イニングあたりの奪三振数「12.28」が、ホワイトソックスの右腕シーズの「13.44」に次ぐ2位にランクインしたと紹介。同サイトでエンゼルスを担当するレット・ボリンジャー記者はさらにこう伝えている。

「6月の大谷は特に絶好調で、29回と3分の2イニングを投げて防御率1.52、38奪三振を記録した。この間に彼のスライダーが最高の武器となっていて、ホワイトソックス戦でも36球を投じて見逃しのストライクが10、空振りが12と超一級品であり続けた。最終的にスライダーで5、スプリットで5、カーブで1の三振を奪っている」

 さらにつけ加えれば、この日の11三振すべてが空振りだった。

 ストレートと変わらない、豪快な腕の振りから切れ味の鋭い変化球をどんどんストライクゾーンに投げ込んでくる。だから対峙する打者はバットを振らざるをえないし、振っても空を切ってしまう。  もちろん変化球だけではない。

 地元紙オレンジ・カウンティ・レジスターは、この試合で最大のピンチを招いた4回のピッチングに言及している。

 先頭のロベルト、続くアブレイユに連打を浴びた大谷はシーツをセンターライナー、ポラックを144kmのスプリットで三振に仕留める。続く7番のガルシアへの初球。内角低目に外れた直球は今シーズン最速タイの101マイル(約162.5km)を計測した。

 ガルシアにはこの試合で唯一の四球を与えて二死満塁としたが、8番のハリソンを142kmのスライダーで三振に仕留めて雄叫びをあげた。ファウルで追い込んだ直前の直球も100マイル(約161km)を記録したように、意識してギアを上げた。

 同紙は、大谷を「MLB史上で類を見ない活躍を演じている」と称賛。その上で出場停止中のフィル・ネビン監督代行に代わって指揮を執る、モンゴメリー・ベンチコーチが4回のピンチに言及したコメントを伝えている。

「彼は基本的に、いつでも好きなときにスケールアップできる能力を持っている。非常に印象的だし、ベンチから見ていて楽しいよ」

 この時点でスコアは2-0。最大のチャンスを逃したホワイトソックスは意気消沈し、エンゼルスの継投の前に最終的に15もの三振を奪われた。地元紙シカゴ・トリビューンはMLB通算2856勝を誇り、リーグ最優秀監督に4度輝いた77歳の名将、トニー・ラルーサ監督が大谷を称賛するコメントを掲載している。

「全力は尽くした。1打席1打席を長くして球数を投げさせたが、彼は複数の武器を持っている。本物のピッチャーだ」

 降板後の打席では、強振するあまりにスイング後のバットが背中から腰あたりにぶつかった。バットが当たった箇所を気にする素振りを見せたが、MLB公式サイトは一夜明けた30日(日本時間7月1日)に試合がないというスケジュールを説明した上で、大谷の「大丈夫です」というコメントも伝えている。  そして、大谷賞賛の究極の表現がこれ。

 地元中継局のBSウエストの解説者が、「個人的な意見ですが、大谷は6月の月間MVPですね」と言及したのだ。実況アナも「間違いない」とうなずいた。

 ホワイトソックス戦を勝ち越したエンゼルスだが、悪夢の14連敗がいまだに響き、37勝41敗の借金4でア・リーグ西地区3位にあえぐ苦しい戦いが続く。

 移動日をはさみ、明日からは、西地区の首位を独走するアストロズの本拠地で3連戦が待っている。ポストシーズンへの可能性をつなぎ止めるためにも、そして2年連続のオールスター出場をゲットするためにも、6月に打率.298、6本塁打、17打点をマークしたバットで7月も大暴れを狙う。

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