冴えた原采配で阪神に連勝の巨人はCS出場権を勝ち取れるのか
6月9日以来の4勝目をマークしたルーキーの赤星は、そのうち3勝が阪神戦という虎キラー。開幕からローテーに抜擢されたが、一時期、中継ぎに回り、再び先発に戻って2試合目にしての白星だった。
今季の甲子園最終戦でヒーローインタビューに指名された赤星は、「今まで先発でも中継ぎでも不甲斐ないピッチングを続けていたので、初回からいけるところまで全力で(投げた)。翔さん(中田)にホームランを打ってもらって守備にも助けられながら6回を投げきることができてよかった。ストライク先行でいけたのがよかった。自分の力ではなくチームで勝ち取った勝利だと思う」と声を弾ませた。 原監督も「とても人柄のいい投手。今日は自分で主導権を持ちながら、自分で考えながらピッチングをしてくれた。成長過程の中で一つずつ階段を上ってくれている」と評価した。
阪神との3連戦の初戦を引き分けたことで自力でのCS出場の可能性が消滅したが、1日で復活。連勝したことで4位広島とのゲーム差は無くなり、3位阪神とのゲーム差を「2」に縮めてCS争いに踏みとどまった。
広島との残り試合は1試合で、阪神との直接対決も17日(東京ドーム)の1試合のみ。巨人の上にいる阪神からすればCS争いのライバルの2チームが潰し合いをしない状況は辛いだろう。
巨人は残り18試合のうち半分の9試合が横浜DeNA戦。ここまでの対戦成績は、6勝9敗1分けで、相性のいい相手ではない。ヤクルトと7ゲーム差があるものの優勝の可能性を残している横浜DeNAのモチベ―ションも高い。巨人打線は上昇気配にあるわけでもなく、阪神を追い抜きCS出場権を獲得するのに決して有利な状況にはない。
ただ一方の残り16試合の阪神は、首位ヤクルトとの対戦が6試合もあるのが気になる。8勝11敗と負け越しており、7月31日に、3打席連続本塁打を許すなど、打率.305、6本塁打、15打点と打たれている4番の村上対策がカギを握ることになりそう。
いずれにしろCS争いをする阪神、巨人、広島の3チームにとって9月の戦いは一つも落とせないトーナメント戦のようなもの。
原監督は、その過酷なCS争いについて「これがプロ野球の醍醐味です。そこをあえて望んでいくように戦っていきたい」と目を大きく開いて語った。