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守備でも貢献した久保建英(左)と鎌田大地(右)が互いに流動的にポジションを変えながら連動した(写真:なかしまだいすけ/アフロ)
守備でも貢献した久保建英(左)と鎌田大地(右)が互いに流動的にポジションを変えながら連動した(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

城氏が2-0勝利の米国戦分析「遠藤と守田が安定感をもたらし2列目で久保と鎌田が連動した。だが南野は苦しい立場に…」

アメリカを一蹴した日本代表のサッカーは本当に“うまくいった“のか。

 FIFAランキングで日本の24位より上の14位で北中米カリブ海予選3位でW杯出場を決めているアメリカを相手に2-0の快勝。だが、うまくいった点と、いかなかった点が見え隠れした。「もっとやれたはずだ」との思いを強く抱いた。

 まずアメリカが酷すぎた。チェルシーでプレーしている背番号「10」のプリシッチを怪我で欠き、2人のボランチが機能せず、中盤のプレスが効かなかったため、日本はワンタッチで縦につなぐダイレクトプレーを意識的に多用することで、さらにスペースとリズムを生み出し思い通りのビルドアップが可能になっていた。

 マッケニーユベントスでプレーしている選手だが、あまりに“雑“で、彼のところで日本はパスカットを繰り返しチャンスを演出することができた。アメリカの出来の悪さを差し引けば、この日の結果と内容を2か月後のW杯に重ね合わせて評価はできないだろう。

 対照的に日本の遠藤と守田のWボランチの動きは抜群でチームへ安定感をもたらした。横の幅、縦の距離の両方で、うまくバランスを保った。ボールは取れるし、つなぐこともできる。この2人が起点となって攻撃を展開。前半戦のチームの素晴らしい統一感を構築することに成功していた。

 この日は、昨年10月のサウジアラビア戦以来となる「4-2-3-1」のシステムを復活させ、2列目に左から久保、鎌田、伊東と配置した。

 これまで久保と鎌田の連携には、ぎこちなさを感じていたし、そもそも久保は左で張って縦の突破ができるプレースタイルではなく中へ入ってこなければ持ち味は生きない。その久保の左での起用には、疑問符がついたが、2人はポジションチェンジをしながら、お互い自由に、流動的に動き、バランスを取っていた。

 久保は守備でも貢献。前半25分の先制ゴールも前田と久保の2人でプレスをかけて、アメリカに苦し紛れにボールを出させたところが起点となった。相手のパスミスを伊東が見逃さず、守田が攻撃に加わり人数をかけて崩した、守田が冷静に空いている鎌田へパスを通し、その鎌田が先制ゴール。一度はオフサイドと判定されたがVARでゴールと認められたわけだが、久保と前田がプレスをかけた時点で、伊東と守田は連動し始めていた。どこでボールを奪い、どう反応して、どう数的優位の状況を作るのか。またどこでボールを受け、どのタイミングでディフェンスの間に顔を出すのか、というチーム全体の約束事がしっかりと機能して意思疎通が図れていた。

 森保監督は、これまでトップ下、左サイドで先発起用してきた南野を使わず、後半、左サイドは久保から三笘に交代。その三笘が後半43分に得意のドリブルで相手ディフェンスを切り裂き決定的な2点目を奪った。

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