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優勝に王手をかけていた横浜F・マリノスが最下位のジュビロ磐田にまさかの敗戦。マスカット監督は「気持ちを切り替える」と前を向くが残り2試合で優勝を決めることができるのか(資料写真・アフロ)
優勝に王手をかけていた横浜F・マリノスが最下位のジュビロ磐田にまさかの敗戦。マスカット監督は「気持ちを切り替える」と前を向くが残り2試合で優勝を決めることができるのか(資料写真・アフロ)

大どんでん返しは起きるのか?V王手の横浜F・マリノスが最下位ジュビロに負け川崎フロンターレ勝利で勝ち点差「2」に急接近

  未消化だった明治安田生命J1リーグの5試合が12日に行われ、優勝に王手をかけていた横浜F・マリノスが最下位のジュビロ磐田に0-1で敗れる波乱が起こった。ホームの日産スタジアムに磐田を迎えたマリノスは圧倒的に押し込みながらゴールを奪えず、逆に後半39分にカウンターから決勝点を喫した。2位の川崎フロンターレが京都サンガF.Cに3-1で勝利したため勝ち点差は「2」に急接近。残り2試合でまさかの大どんでん返しは起こるのか。

 「本当に上(の順位)にいる価値があるのかが試されている」

 

 わずか11日間でJ1リーグの優勝争いが風雲急を告げてきた。
 今シーズンで一度もなかった連敗を、同じく初めてとなる2試合連続の無得点で終えた試合後の取材エリア。マリノスのキャプテン、MF喜田拓也(28)は「シンプルに力が足りないだけじゃないですかね」と、自戒の念を込めるように自分たちの現在地を振り返った。
「ここで下を向くことも、やめることも誰にでもできることだし、本当に上(の順位)にいる価値があるのかが試されている。まだまだ甘いと自覚して勝つための準備をしないといけないし、自分たちでまいた種は自分たちで回収するしかない。それに尽きると思う」
 キックオフの時点でJ2への自動降格圏となる17位にあえいでいたガンバ大阪を攻めあぐね、セットプレーから失点を重ねて0-2で敗れてから4日。場所も同じ日産スタジアムで、7月30日を最後に勝ち星がなく、最下位に沈む磐田を相手にまたもや悪しきパターンが繰り返された。
 前半からマリノスが圧倒的にゲームを支配する。しかし、ガンバと同じく守備を固める磐田を崩せない。何とかチャンスを作っても、15本に達したシュートがゴールに結びつかない。枠をとらえた一撃は、ことごとくキーパー三浦龍輝(30)の守備範囲に飛んでいった。
 対する磐田のシュートは6本。そのひとつ、残り6分の土壇場で発動されたカウンターから途中出場のルーキーMF古川陽介(19、静岡学園高)が放った一撃は、ブロックしようとしたDFエドゥアルド(29)の左足をかすめてコースを変え、マリノスゴールに転がり込んだ。
 セットプレーもカウンターも、金星につながる失点を献上する典型的なパターン。さらにリーグトップの63得点をマークする攻撃も鳴りを潜める。試合後の公式会見。マリノスのケヴィン・マスカット監督(49)は「今シーズンのなかで難しい時期に差しかかっている」と、フラストレーションがたまった2試合だと位置づけながら、精いっぱいの強がりを見せた。
「この2試合、相手は残留を懸けて死に物狂いで戦ってきた。守備を固め、少ないチャンスをものにした。自分たちは相手を自陣のボックスに近寄らせなかったし、あれだけのチャンスを作り出した。ボールを支配し、失ってもプレッシャーをかけ続けた。負ける理由はなかったと思っている」
 マリノスが敗れた一報は、同時間帯に行われていた一戦で京都サンガF.C.に3-1で快勝したばかりの川崎のホーム、等々力陸上競技場にもリアルタイムで届けられた。
 声出し応援が適用されていた一部のスタンドから、期せずして大声援がわきあがる。開始9分にコーナーキックの流れから先制点を決めたキャプテン、DF谷口彰悟(31)は「自分たちにできるのは、目の前の試合に勝つことだけなので」とフラッシュインタビューで胸中を明かした。
「他会場の結果は終わってから、ということで、とにかく僕たちには勝って、ジリジリと(マリノスに)プレッシャーをかけられるような、そういう展開に持ち込むしかない、と。自分たちを信じていれば何かを起こせる、ということだけを考えて今日も戦っていました」

 

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