尾を引く福岡の”紳士協定違反問題”でGK永石拓海がSNSで理解を求める訴え…「心無い言葉や目を背けたくなるようなメッセージが届いていることはとても辛い」
福岡のホーム、ベスト電器スタジアムはクルークスのゴール直後から騒然となった。名古屋側の怒りが収まらない状況で、福岡の長谷部茂利監督(51)は長谷川監督との話し合いで、無抵抗で名古屋へゴールを献上すると伝えた。
3分後の24分に名古屋ボールで再開されると、福岡がいっさいの守備を放棄する異例の光景のなかでFW永井謙佑(33)が勝ち越しゴールを決めた。38分にも永井にゴールを許した福岡は後半に追い上げるも、2-3で敗れて15位へと順位を下げた。
J1参入プレーオフ決定戦に回る16位のガンバ大阪とは勝ち点28で並び、得失点差でわずかに上回っている。7月10日の京都サンガF.C.戦での勝利を最後に2分け5敗と、7試合続けて白星から遠ざかった福岡は、いよいよ残留争いに巻き込まれた。
10日の次節は優勝争いを演じている横浜F・マリノスのホーム、日産スタジアムに乗り込む。厳しい戦いが待っているからこそ、永石はこんな言葉も綴っている。
「それと同様にサポーターの方々からの前向きなメッセージは選手一人ひとりに届いていますし、次の試合へと立ち向かう強さを与えてくれます」
11月5日の浦和レッズとの最終節まで続く、天国と地獄とを分けるリーグ戦の残り6試合へ。延べ4つ目の所属チームとなった福岡で、プロになって5年目にして念願のJ1デビューを果たした永石は、福岡に関わるすべての人々の一致団結を訴えながら、最後に「#アビスパ福岡」と「#永石拓海」のハッシュタグを添えてコメントを締めた。
「アビスパ福岡に残されたリーグ戦はあと6試合ですが、誰1人として下を向く事なく前向きに取り組んでいる、そんな状況です。宮(大樹)とも話をしてあのシーンで自分がどうすれば良かったかもお互い整理が出来ました。そんなチームメイト、スタッフを誇りに思います。最後まで自分達を信じて戦い抜くのでサポーターの方々もこれまで同様に力を貸して下さい。宜しくお願いします」
マリノス戦の前に、今日7日にはホームにJ2のヴァンフォーレ甲府を迎える天皇杯準々決勝に臨む。すでにYBCルヴァンカップでクラブ史上初の準決勝進出を果たしている福岡は、永石の思いを力と絆に変えて、同じく最高位となる天皇杯ベスト4進出を目指す。
(文責・藤江直人/スポーツライター)