岡田阪神は「虎メダル」「佐藤、大山の複数ポジション」など廃止へ…「そりゃ、そうよ」“負の遺産“解消でV狙える?!
岡田新監督は、特に金本知憲前々監督、矢野前監督とつないだ、この7年間の野球に関して疑問を抱く部分が多かった。2人が残した功績も大きいが優勝できなかった原因となった“負の遺産“もある。
「虎メダル」もそうだが、その“負の遺産“を廃止することで藤原オーナーが語る「優勝に足りない後1歩」を埋めることにつながるかもしれない。
岡田新監督は、矢野前監督が実行した守備シャッフルも廃止する。
大山はヒザへの不安もあったそうだが、CSでは不慣れなライトまで守りエラーをしていた。
佐藤と大山のポジションは三塁と一塁に固定する。ただし、全員の守備位置を固定するわけではない。岡田新監督の前監督時代に二塁、三塁などを守った関本賢太郎氏がそうだったように、チームに数人は、複数ポジションを守れるユーティリティープレーヤーが必要だという持論がある。それぞれの役割と責任を明確化しようというわけだ。
守備シャッフルの廃止には、この5年間リーグワーストの失策数を記録してきた課題の守備力を向上させることへつながればという期待がある。
岡田新監督は「エラー数ではない。基本に立ち返ることが重要。それと集中力よ。そういう状況を想定して練習しておかねばならない」と語っていた。1軍の内野守備コーチには、オリックス時代に共に現役を過ごし、三塁手としてゴールデングラブ賞を受賞、オリックス、ヤクルト、横浜などで内野守備コーチを歴任した“職人”の馬場敏史氏を招聘することが決まり、秋季キャンプから、さっそく守備強化に乗りだすことになる。
またクリーンナップを任せることになる佐藤、大山の2人は、全試合にフルイニング出場させる方針。守備位置を固定することで打撃へ好影響が出ることへの期待があるが、「若いピッチャーが2軍から出てきたし、すごくバランスのいいチーム。あとは得点力。佐藤と大山。この2人をなんとかせなあかん。この秋から打撃を根本的に見直さなあかん」との使命感がある。
佐藤の打率.264、20本、84打点、大山の打率.267、23本、87打点の数字は物足りない。
「果たして、ここまでの選手なのか、それともまだノビシロがあるのか。外から見ているだけで、彼らが何をどう考えているかわからんから、直接話をしてやってみないとな。ただもっとやれると思っている」
1軍打撃コーチには、阪神OBの今岡真訪氏、岡田新監督がオリックス監督時代にもコーチを務めた水口栄二氏の2人を招くが、岡田新監督は、その2人と打撃理論を刷り合わせながら、佐藤、大山の打撃指導を自らが行う考えでいる。前監督時代は、選手への技術指導は基本的にコーチに任せ、グラウンドであれこれ教えることはなかった。コーチの仕事をリスペクトしていたからの行動だったが、実は、スランプに陥るなど、ここぞというタイミングでは、秘密裡に甲子園の室内に選手を呼び出し打撃指導を行っていた。鳥谷敬氏や不振に陥ったアリアスなどがそうだった。
オリックス監督時代も、T―岡田をマスコミが見えない裏で直接指導してブレイクさせ本塁打王を獲得させたこともある。だが、今回は、そのスタイルを変え、この秋季練習、キャンプから、自らが佐藤、大山の再生に乗りだすという。それだけ佐藤、大山の再生を重要視しているからだ。