“戦国ダービー”は皐月賞上位「4強争い」で決まるのか?
ローテーションも絶好だ。
弥生賞→皐月賞→ダービーというのは友道厩舎が過去に管理し、世代の頂点に立ったマカヒキ、ワグネリアンと同じ足跡。ともに皐月賞の敗戦を肥やしにしており、いわばダービー必勝パターンと言っていい。勝てば、騎手は6勝目、調教師は現役最多の3勝目となる。ダービーを知り尽くした最強コンビがタッグを組むドウデュースが4強の中でもとりわけV最短距離にある。ちなみに四位調教師もこの馬に注目していた。
4強争いでドウデュースに対抗するのが、皐月賞でワンツーフィニッシュを決めた木村哲也調教師が管理する2頭だろう。まず勝ったジオグリフは初コンビを組んだ福永祐一騎手が完璧なエスコートをしており、もう一度同じ手が使えるかは微妙だろう。
距離が延びて決していいとは言えないドレフォン産駒。ノドにも弱点を抱え、スタートも不安定な面がある。ただ、福永騎手の充実ぶりには目を見張る。
18年ワグネリアンで悲願を達成すると堰を切ったように20年コントレイル、21年シャフリヤールとここ4年で3勝の固め勝ち。3連覇となれば初の快挙だ。
ダービーへ向けては「馬体の力強さが増している。この時期の3歳は血統的な距離適性より完成度の高さが重要。距離は未知数だが、操作性は高い」と2冠を意識していた。
2着のイクイノックスの皐月賞は久々の影響か、前半はやや掛かり気味になり、仕掛けも早くなった。しかし、一度使われてコンディションは急上昇。 クリストフ・ルメール騎手は「これ以上ないほどいい追い切りができた。今度はベストコンディション。勝つ自信あります」と反撃の構えだ。今回も大外枠に入ったが、距離はたっぷりあり、名手ルメールなら中団あたりで馬群の中にもぐりこむはずだ。左回りの方が伸びがいいタイプ。皐月賞で同僚ジオグリフにつけられたコンマ1秒差は逆転可能だろう。
ダノンベルーガにも可能性がある。2番人気4着だった皐月賞は1番枠がアダ。荒れたインを終始走ることになり、スタミナをロスし、末脚の切れを発揮することができなかった。共同通信杯では、のちの皐月賞馬ジオグリフに快勝しており、左回りの広い東京コースは間違いなくプラスに働く。実際、共同通信杯後に2着ジオグリフに乗っていたルメール騎手がダノンベルーガに対し「ダービーホース」とつぶやいたのは有名な話だ。
“4強争い”というよりも、実力が拮抗しているドウデュース、イクイノックス、ダノンベルーガの“3強争い”と見た方がいいのかもしれない。だが、“4強争い”ムードに“待った”をかけるライバルもいる。 「今年の別路線組はクセ者ぞろい」という声があるのも確かだ。