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阪神の次期監督に決定した岡田彰布氏のコーンチングスタッフとして鳥谷敬氏(左)の入閣は見送られるが、藤川球児氏には2軍の異色ポストを用意(写真は現役時代の資料・黒田史夫)
阪神の次期監督に決定した岡田彰布氏のコーンチングスタッフとして鳥谷敬氏(左)の入閣は見送られるが、藤川球児氏には2軍の異色ポストを用意(写真は現役時代の資料・黒田史夫)

”新生岡田阪神”の平田ヘッド&和田2軍監督が内定…気になる鳥谷氏は入閣見送りも藤川氏には2軍異色ポストを用意

 また今回、岡田氏に課せられたミッションには、18年ぶりの優勝を狙うだけでなく、将来の監督候補を入閣させて指導者としての帝王学を叩き込み、数年後にスムーズなバトンタッチを実現したいという中長期計画もある。コーチ経験がないまま監督に就任して失敗した金本知憲氏の過ちを繰り返さないための球団としての戦略のひとつだ。

 矢野燿大監督には2軍監督の経験を積ませて1軍に昇格させたが、優勝経験のある監督のもとで、コーチとして野球を学ぶ機会がなく、その経験不足が采配に現れて、この4年で優勝することができなかった。経験豊富な岡田氏のもとで、将来の監督候補に英才教育を施すのは理想的な指導者育成プランだ。  今回、その次期監督候補として、阪神OBで通算2099安打を成し遂げ、歴代2位となる1939試合の連続試合出場記録を持つ鳥谷氏、SAとしてチームに残っている通算245セーブの藤川氏の2人をリストアップした。

 岡田氏の早大の後輩となる鳥谷氏は、正式要請をする前に、その意向を確かめたが、昨年、ロッテのユニホームを脱いだばかりで、「まだあと1年はネット裏での勉強を続けたい」との意向を強く抱いていることが判明したため、その意思を尊重して正式な入閣要請を見送った。

 また藤川氏には、2軍のチーフ兼投手コーチ(仮称)という異例のポジションを用意して入閣を打診した。岡田氏が監督時代に先発で伸び悩んでいた藤川氏の短いイニングでの適性を見抜き、抑えに転向させて「JFK」を確立、その才能が一気に開花して、メジャーリーグに挑戦する日本を代表するクローザーとなった。

 岡田氏は、オリックス時代に2軍助監督兼打撃コーチというポジションで指導者への1歩を踏みだしており、当時とは事情は大きく違うようだが、1軍監督の経験のある和田氏のもとで、投手出身の監督となるのであれば、必要不可欠となる野手の起用法や、その見極め、作戦面などを学ばせることが狙いとしてある。

 もちろん評判の卓越した投球理論を駆使して、若手の投手を育成してもらいたいという期待も大きい。引退して3年が経過し、テレビ番組に引っ張りだこの藤川氏が受諾するかどうかは不透明だが、実現すれば”岡田内閣”の目玉のひとつとなりそうだ。

(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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