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衝撃のスペイン戦から一夜明けて取材に応じた森保監督が決勝T初戦クロアチア戦に向けて情報戦を仕掛けた?(写真・日本サッカー協会提供)
衝撃のスペイン戦から一夜明けて取材に応じた森保監督が決勝T初戦クロアチア戦に向けて情報戦を仕掛けた?(写真・日本サッカー協会提供)

クロアチア戦で炸裂する“森保マジック”とは…指揮官が情報戦を仕掛けた?!「4バックか、3バックか…考えている」

 スペイン戦の2日前に実施した非公開練習では、東京五輪に臨んだ世代別代表も含めて、これまで一度も導入していない[3-5-2]も検討したと森保監督は明かしている。スペインの[4-3-3]に対してほぼ完璧にマッチアップできるシステム、というのが理由だった。
 しかし、首脳陣のなかで話し合った末に最終的には見送っている。
「頭のなかでしかやっていなかったので上手くいかないのではないか、となりました。ピッチ上でゲーム形式のトレーニングを通してやっていれば、選手たちも具合的な動きのなかで感覚を擦り合わせられたので、また違っていたのかなとは思います。ただ、疲労も軽減しなければいけなかったので、最終的には変更して試合に臨みました。それでもスペイン戦の2日前にやったトレーニングも状況によっては使えるという意味で、決して無駄にはならないと思っています」
 ドイツ戦から中3日でコスタリカ戦へ臨んだ選手たちの肉体的な消耗を考慮して、新たなシステムの習熟に必要なゲーム形式のトレーニングを回避。同時にスペイン戦で採用されていればサプライズとなった[3-5-2]も幻と消えたが、森保監督はこんな言葉も残している。
「こうして多くの選択肢を持てるのは、簡単なようで実はそうではない。まずはいい選手たちがいてくれて、日本が勝つために柔軟に対応してくれているのが監督としてありがたい。こういう点を、メディアのみなさんから発信していただければと思っています。組織力で戦うのは間違いなく日本のよさですけど、1対1の局面で勝っていける選手たちの強い個が加わり、そこへ数的優位を作り出せる連携・連動もあって、組織力そのものもさらに強くなっているんです」
 森保監督が伝えたかったのは、今大会に臨んでいる26人の代表メンバーのうち、実に19人を占めるヨーロッパ組を中心に選手個々の能力のアベレージがアップ。それらが代表チームへ還元され、結果として代表そのもののアベレージも上がっている相乗効果だった。
 今大会のドイツ戦とスペイン戦でも、アジア最終予選を含めたこれまでの戦いで、ほとんど見せなかった大胆な采配を披露。歴史的な大金星を立て続けにもぎ取って世界を驚かせたが、森保監督自身は「秘策でもないし、大胆な采配でもないですね」とこう続けた。
「対戦相手との噛み合わせのなかで、どのようなメンバー編成をして、どのようなゲームプランを立てればいいのか、というところで選手たちが素晴らしい個の能力を見せてくれている。交代を含めた策が当たったかどうかは、みなさんに自由に見ていただいたなかで批評していただければ」

 

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