横浜DeNA今永昇太の8月5連勝の裏に「眠れない夜」
ベッドに横にはなるが、登板した夜には、「あそこでこう投げていたら」と、頭の中で反省し、試合前日には、1球1球ゲームのシミュレーションをしていると、マウンドに立っているのと同じ心拍数となり、眠れなくなるという。
「緊張したり、試合前後に試合のこと、野球のことばかりを考えて夜更かしをしてしまう。試合前日には頭がいっぱいになって眠れない。それが、野球を辞めたときに、いい体験だったと、誰かに話せるときがあればいいなと8月を過ごした」
負けられないプレッシャーもあった。
だからこそ「みんなで喜べる達成感が毎試合あった」という。
試練ともいえる9月の27試合がスタートした。1日は“お得意様”の中日を下したが、その後、広島に3連敗。今永は連敗ストップを課せられた6日の巨人戦に先発し7回1失点と踏ん張った。勝ち負けはつかなかったが、チームは延長11回を戦い、2-1で勝利した。
今永は、勝負の9月戦線を戦う上で問われるエースの責任をこう考えている。
「勝つことにプラスアルファでチームに何かをもたらさねばならない。例えば中継ぎを休ませる、悪い流れを断ち切る、相手のエース級に勝ち切るとか、のプラスアルファを求められてくると思う。その求められるものから逃げずに立場を自覚して9月は投げたい」
それが実行できれば頼れるエースだ。
7日は巨人に3-18と記録的な大敗を喫した。
だが、ヤクルトも阪神に敗れたためゲーム差は「7」のまま。
「ゲーム差はあるが、優勝を狙える位置にある。ヤクルトもしぶとい試合をしている。僕らもしぶとく、ついていくところを見せられれば。(ここから先)想像できない緊張で野球をやるかも。自分の中で俯瞰して見れればいい」
逆転優勝はあきらめない。4ゲーム差に迫って迎えた先月26日からのヤクルト3連戦に3連敗したが、再チャレンジの機会を狙う。このままローテー通りでいけば、今永の次回登板は13日の中日戦。続いている連勝記録は、どこまで伸びるのか。今永の眠れない夜はまだ終わりそうにない。
(文責・RONSPO、スポーツタイムズ通信社)