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1ラウンド終了間際に井上尚弥の右のクロスカウンターが炸裂してノニト・ドネアは腰からダウン(写真・山口裕朗)
1ラウンド終了間際に井上尚弥の右のクロスカウンターが炸裂してノニト・ドネアは腰からダウン(写真・山口裕朗)

海外メディアは井上尚弥の衝撃のドネア2回TKOをどう伝えたか…「ボクシング界最高の選手の1人」「本当のモンスター」

記事は「第1ラウンドは両サイドに警戒感があったが、終盤に爆弾のようなパンチが飛び始めた。井上は何発かの優れたカウンターパンチで優勢に立ち、鋭い右でドネアを倒した。これは、井上と対戦する中でドネアが序盤に受けてはならない警告のサインだった。ドネアはすべてが困難となり、第2ラウンドは見るに堪えなかった」と井上の圧勝劇をレポート。

 井上がリング上のインタビューで話した「みんなありがとう。やりました!」という第一声と、「最初のラウンドでドネアに左フックを浴びて目が覚めた。自分の評価を上げる必要があったので、このラウンドで戦いを終わらせることを決めました」というコメントを紹介した。

 井上の今後の展開についても触れ、「29歳の井上は、今後、バンタム級の王座統一のパズルの最後の一片を狙うことになるだろう。そのWBOの現王者でイングランドのエルズミアポート出身のポール・バトラーは圧倒的に劣勢となるだろうが、両者の対戦は日本、もしくは英国で大きなビジネスになるだろう」と伝えた。

 同メディアも井上がWBO世界同級王者のバトラーとの4団体統一戦に向かうとの見立てをしている。  またドネアについて「39歳のドネア(42勝7敗、28KO)は殿堂入りが確定している選手だ。ほぼ20年にわたりエリートレベルで戦ってきた元5階級王者は、もうこれ以上証明すべきものはない。“フィリピンの閃光”と呼ばれる偉大な王者は惜しまれながらも、これまで積み上げた努力の成果を噛み締める時がやって来た」という表現で引退の可能性が高いことを伝えた。

 英ガーディアン紙は「井上がドネアをノックアウトし、パウンドフォーパウンドの論証を強固なものとする」との見出しを取り、「モンスターとして知られる日本出身の無敗3階級王者の井上が、日本のさいたまスーパーアリーナで行われたバンタム級王座統一戦でドネアを衝撃の2回TKOで倒し、ボクシング界最高のパウンドフォーパウンド選手の1人としての名声に応えてみせた」と称賛した。

 記事は「井上は試合開始のゴングから唯一無二のパワー、スピード、フットワークのコンビネーションを見せ、このラウンド終了近くにドネアに向かって踏み込み、まるで赤外線誘導式ミサイルのような右のパンチで彼を倒した。ドネアは立ち上がってゴングに救われたが、第2ラウンドは、中盤までにパンチを立て続けに浴び、1分24秒でレフェリーのマイケル・グリフィン氏によって即座に試合を止められた」と試合内容を詳しく紹介。

 「Compuboxのパンチ統計によると、井上はパンチ85発のうち42発(49%)を着弾させ、それに対してドネアは71発中16発(23%)だった」と、わずか2ラウンドだったが、専門機関の試合データを付け加えた。

 またドネアの地元のフィリピンスター紙は「井上はドネアにとって強過ぎた」との見出しで、「埼玉にドラマはなかった。全盛期の選手である日本の井上は、残忍なファイトを見せ、数発の素晴らしい一撃を放ってフィリピンのドネアJr.を倒すのに2ラウンドを必要としなかった」と絶賛した。

 記事は「井上は(2ラウンドに)コーナーの近くで、ドネアに対して、右、そして左と頭にパワフルで正確なショットをヒットさせ、フィリピン選手(のドネア)から最後のダウンを奪った。レフェリーのグリフィン氏が、すぐに試合終了の引き金を引いた」と試合内容を紹介。

「元5階級王者で将来の殿堂入り選手のドネアは素晴らしい現役生活を何年も延ばそうとしてきたが、この前王者に引退の引導を渡すと公言していた日本選手(の井上)には、明らかに見合わなかった。井上は2019年にリング誌から年間最高試合と評価された試合の再戦としての期待に造作なく応えてみせた」と続けた。

 海外メディアも絶賛の嵐。モンスターの評価がワールドレベルで急上昇だ。

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