渋野日向子が全英女子OP2日目に「73」で7位タイ後退も「よく耐えた」と“反撃宣言”をした理由とは?
女子ゴルフの今季メジャー最終戦、AIG全英女子オープンの2日目が5日に英国スコットランド・ガレーンのミュアフィールド(6680ヤード、パー71)で行われ、初日を首位発進した渋野日向子(23、サントリー)が1バーディー、3ボギーの73とスコアを崩した。通算4アンダーの7位タイへ後退した渋野だが、8アンダーで単独首位に立ったチョン・インジ(27、韓国)とは4打差。5アンダーで5位タイの山下美夢有(21、加賀電子)を含めた34人がアンダーパーをマークする大混戦のなかで決勝ラウンドへ臨む。
「何も考えずに振った方がいいんだなと最終ホールで気がついた」
リーダーボードの一番上から自分の名前が消えて久しい。2日目をオーバーパーで終える状況がほぼ確定していたのだから、首位を譲り渡すのも無理はなかった。
それでも、渋野はキャディの佐々木裕史氏と笑顔で言葉をかわしながら、パーオンに成功した最終18番(パー4、422ヤード)のグリーンへ近づいてきた。
時間の経過とともに噛み合うようになったショットが、スコアを崩した渋野を微笑ませた理由だった。実際、フラッシュインタビュー中にこんな言葉を残している。
「途中、ちょっと試行錯誤しながらラウンドしてしまいましたけど、結局、何も考えずに振った方がいいんだなというのに最終ホールで気がつきました」
スコットランド時間の5日午後零時16分(日本時間同午後8時16分)に、1番(パー4、408ヤード)をティオフした直後。違和感が悪循環へと変わった。
ティショットが右のファーストカットへ転がり、フェアウェイウッドで狙った2打目を今度はグリーン左へ外してしまった。アプローチもピンをオーバーし、約3メートルのパーパットもカップの右をかすめていきなりボギーで発進した。 トップから上体を起こす動作が、初日よりもわずかに早くなっていた影響からか。続く2番(パー4、355ヤード)のティショットも右へ大きくプッシュアウト。リンクス特有の深いラフへ打ち込んだのは今大会で初めてだった。
「(ティショットを)右にミスしてしまい、それを嫌がって今度は左に引っかけるミスをスタートホールからやってしまって。昨日に比べたらショットの安定感がなく、ロングパットが残ってしまうとか、難しいアプローチになるホールが多くなった結果として、なかなかバーディーチャンスにつけることができませんでした」
2日目のスタッツに、ショットの乱れが色濃く反映されていた。
初日に85.71%をマークしたフェアウェイキープ率は、2日目には50%と大きく数字を悪化させた。14番(パー4、412ヤード)では今大会で初めてポットバンカーに打ち込み、2打目は横へ出すだけという苦境を招いてしまった。何とか3オンに成功するも、パーパットがカップ右をかすめて3つ目のボギーを叩いている。
パーオン率は初日の83.33%から72.22%へ、数字の上では微減にとどめた。しかし、渋野自身が振り返ったようにピンに遠い位置からのファーストパットが多くなり、結果としてパット数そのものも初日の「28」から「33」へ悪化させてしまった。
それでも、渋野はこんな言葉で2日目を総括している。
「今日は本当にパッティングが頑張ってくれたかな、と。微妙なのが入ってくれたので、何とか3ボギーで収まったというか、よく耐えた一日でした」
スタッツを大きく落としてしまったのに、渋野はなぜパッティングに対して「頑張ってくれた」と感謝したのか。答えはパーをセーブしたいくつかのホールにある。