球界大御所が過激意見…「12人も欠場のオールスターを開催する意味はあるのか。見どころはない」
巨人からはウォーカーが選ばれたことに「ごくたまに一発はあるが、目もあてられない守備でチームでも、ろくに戦力にもなっていない選手が、オールスターに値するのか。巨人の選手が1人もいないことに配慮したのならまだしも、戸郷と小林と2人は出ている」と辛口評。
ウォーカーは今季ここまで90試合に出場して打率.276、19本塁打、42打点の成績を残している。本塁打はリーグ4位タイで打点は10位タイにつけているが、広岡氏は、どうも納得がいっていない様子だ。 他の補充選手として、セは阪神のストッパー岩崎優、7勝2敗、防御率1.87の伊藤将司、広島からは、8勝5敗の森下暢仁、ショートストップの小園海斗、ヤクルトの同じく売り出し中のショートストップ長岡秀樹。パは、ソフトバンクの勝利方程式の中核にいるL.モイネロ、西武の防御率1.59と安定感のある中継ぎ本田圭佑、ロッテからは、今季ブレイクした髙部瑛斗、中継ぎで安定している小野郁、楽天のユーティリティープレーヤーの小深田大翔ら、オールスターの名に恥じない選手が選出された。
しかし、オールスターはファンの夢の球宴であり、選ばれる側の選手にとっても簡単には手の届かない憧れの場所でなければならない。その場所が、大量の補充選手でカバーされるようでは、広岡氏が指摘するように大会の意義が疑問視されるのも無理はない。
ただ2人の若き投打のヒーローが、その“瀕死”のオールスターを救ってくれるのかもしれない。共にファン投票と選手間投票で選ばれたロッテ佐々木とヤクルト村上だ。交流戦での2人の対戦はなく、もし実現すれば、まさに夢対決。佐々木は7月1日の楽天戦で指のマメを潰して翌日に登録抹消されて以来、1軍登板はなく、不安は残るが、福岡での前日イベントに参加し、「MVPが欲しいので全員を抑えられるように最大限のパフォーマンスを出して良いピッチングをできるように頑張ります」と気合十分。
33本塁打、89打点の2冠でオールスターに乗り込んできた村上も「三振しないように前に飛ばそうかなと(笑)。全力スイング、全力プレーで頑張ります」と、控えめに一発狙いを宣言した。
今季完全試合と13連続三振、最多19奪三振の日本記録を作った佐々木には、江夏豊氏が、1971年のオールスターで作った伝説の9連続三振記録の更新が期待される。
「期待しないで欲しい」と本人は言うが、ファンにとっては注目の挑戦だろう。
広岡氏も、この2人に対しては「間違いなく球界を背負っていく2人」と評価している。
佐々木の登板予定はまだ発表されていないが、第1戦は、セが11勝1敗でハーラートップを走りファン投票で選出された阪神のエース青柳晃洋、パが監督選抜で選ばれ初出場のソフトバンクの3年目左腕、大関友久が先発する。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)