アルファタウリ角田裕毅の去就にも注目が集まる(写真・Joerg Mitter / Red Bull Content Pool)
アルファタウリ角田裕毅の去就にも注目が集まる(写真・Joerg Mitter / Red Bull Content Pool)

盛り上がった夏のF1「プールリーグ」…2023年へ向けたシート争いは?

プロスポーツの世界に、「ストーブリーグ」という言葉がある。元々は野球の世界で使用されてきた言葉で、野球がシーズンオフになる冬に選手の契約更改や移籍が行われ、その時期が暖房器具であるストーブが必要になる季節であるため、このように呼ばれるようになった。

 ただし、F1では、モナコGPが開催される5月下旬から翌年に向けたチームとドライバーとの交渉がスタートし、夏休み前後の8月あたりに最盛期を迎えるためストーブの代わりに、「プールリーグ」という言葉が使われる。そして、今年のプールリーグも8月に一気に盛り上がった。

 その引き金を引いたのは、現役最年長のフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)だった。ハンガリーGP直後の8月1日にアストンマーティンがアロンソを2023年から起用することを発表。ハンガリーGP前にセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が今シーズン限りでの引退を表明していたため、そのシートに代わって収まることになった。

 驚いたのは現在アロンソが所属するアルピーヌだった。チーム代表のオットマー・サフナウアーが「この移籍を知ったのはアストンマーティンのチームリリースだった」という。そこでアルピーヌはリザーブドライバーのオスカー・ピアストリをレギュラードライバーに昇格させると発表したが、ピアストリに「来年、アルピーヌに乗ることはない」と否定されてしまった。なぜなら、ピアストリはこの時点でほかのチームからF1デビューする計画で話を進めていたからだ。

 そのチームとして有力なのがマクラーレンだ。マクラーレンはランド・ノリスと長期契約を結んでいるが、もう一人のダニエル・リカルドとの契約は2023年限りで、今シーズン成績が伸びないリカルドとの契約を違約金を支払って1年前倒しして解除しても、若くて速く、さらにリカルドよりも安く契約できるピアストリのほうがお得な買い物となるからだ。  ピアストリがマクラーレンへ移籍することはまだ発表されていないが、ピアストリがアルピーヌからF1デビューしないことは確実となったため、ピアストリの去就だけでなく、アルピーヌがアロンソが抜けた穴を誰で埋めるのかも注目されている。

 

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