アルファタウリ角田裕毅の去就にも注目が集まる(写真・Joerg Mitter / Red Bull Content Pool)
アルファタウリ角田裕毅の去就にも注目が集まる(写真・Joerg Mitter / Red Bull Content Pool)

盛り上がった夏のF1「プールリーグ」…2023年へ向けたシート争いは?

 しかし、これは今年のプールリーグの序章にすぎない。というのも、夏休みが始まった時点で、2023年以降のシートが2つとも確実に決定しているのは、10チーム中、メルセデス、レッドブル、フェラーリ、アストンマーティンの4チームだけ。アルピーヌとマクラーレン以外にも、まだ4チームが2つあるシートのうちひとつがまだ確定していない状況だ。

 その中には現在ただひとりの日本人ドライバーとしてF1に参戦している角田裕毅が所属するアルファタウリも含まれている。チームメートのピエール・ガスリーの契約は2023年までだが、角田は22年限りとなっている。アルファタウリのシートは姉妹チームのレッドブルのジュニアチームで活躍している者から選ばれるケースが多い。幸い現在のレッドブル・ジュニアチームの中に、圧倒的なパフォーマンスを披露しているドライバーがいないため、すぐにF1に昇格してきそうなドライバーはいない。したがって、後半戦で角田が大きなミスを連発せずに着実にポイントを重ねれば、契約延長はそう遠くはないだろう。  昨年も夏休み明け初戦となったベルギーGPで角田との契約更新を発表したアルファタウリ。ただ夏休み明けになんらかの発表があると予想されていたが、まだ正式発表はない。しばらく経過しても動きがない場合には雲行きは怪しくなる。

 角田以外にも、ミハエル・シューマッハの息子、ミック・シューマッハ(ハース)や初の中国人F1ドライバーとなった周冠宇(アルファロメオ)の去就が定まっていないのも気になるところ。

 近年のF1で、ドライバー市場が大きく動いたのは2015年と2019年。いずれも前年にアロンソがチームを移籍したり、F1から離れることを発表している。そのアロンソが23年にアストンマーティンへ移籍することを今年発表した。来年のシート争いが、これからさらに活発になっていっても不思議はない。 (文責・尾張正博/モータージャーナリスト)

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