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ヴィッセル神戸の永井スポーツディレクター(左)とロティーナ新監督(右)(写真提供・ヴィッセル神戸)
ヴィッセル神戸の永井スポーツディレクター(左)とロティーナ新監督(右)(写真提供・ヴィッセル神戸)

神戸のロティーナ新監督就任会見に出席した永井秀樹SDに感じた違和感…「質問は新監督に関してのみ」の制限も

開幕から9試合連続未勝利と、クラブワースト記録を更新する不振に陥っているヴィッセル神戸は8日、本拠地のノエビアスタジアム神戸内で新体制会見を開き、スペイン出身のミゲル・アンヘル・ロティーナ氏(64)の新監督就任を発表した。  東京ヴェルディ、セレッソ大阪、清水エスパルスに続いて日本で指揮を執るロティーナ新監督は「サッカーからのプレゼントだと思っている」と、母国の英雄アンドレス・イニエスタ(37)をはじめとするタレント軍団を率いる抱負を語った。古巣セレッソをホームに迎える、10日の明治安田生命J1リーグ第8節が初陣となる。  クラブの公式YouTubeチャンネルでファン・サポーターへ向けてライブ配信された会見には、3月21日に就任した永井秀樹スポーツダイレクター(51)も同席。冒頭で「少しだけお時間をいただきまして」と断りを入れた上で、Jリーグから認定されているヴェルディ監督時代のパワーハラスメント行為に公の場で初めて言及した。

「私事…この場をお借りしてお詫び申し上げます」

 違和感を抱かずにはいられなかった。

 ロティーナ新監督を中央に、向かって左に永井スポーツダイレクター、右には栗原圭介強化部長がひな壇に並んだ新体制会見。冒頭で編成部門のトップを担う永井氏が「少しだけお時間をいただきまして」と切り出し、さらにこう続けた。

「私事ではございますが、このたびファン・サポーターのみなさまからたくさんのご意見を頂戴いたしまして、世間を騒がせてしまったことをあらためてですが、この場をお借りしてお詫び申し上げます」

 永井氏が言及した「私事」とは、昨年末の段階でヴェルディおよびJリーグから認定された、ヴェルディ監督時代のパワハラ行為を発端とする騒動に他ならない。

 昨年9月にヴェルディ監督を辞任していた永井氏は、処分の対象にはならなかった。しかし、Jリーグの報告を受けた日本サッカー協会(JFA)の技術委員会は3月10日、永井氏が持つ公認指導者S級ライセンスに対して1年間の資格停止処分を科した。

 今年に入って空位だったスポーツダイレクターに、永井氏が就任すると神戸が発表したのは処分決定からわずか11日後。フロントの要職を務める上で、公認指導者S級ライセンスは関係ない。しかし、ルール上では何ら問題ないと言っても、社会通念的にはあまりにも時期尚早だと非難する声がネット上を中心に激しく飛び交った。

 オンライン署名サイトでは、永井氏の就任撤回や一時凍結を求めるキャンペーンが始まった。サポーターの有志団体、ヴィッセル神戸サポーター連合は急きょ発表した声明のなかで、クラブから十分な説明がないと厳しく指摘した。

 こうした動きが永井氏の言う「世間を騒がせてしまった」となる。しかし、神戸の会長を務める楽天グループのトップ、三木谷浩史氏がクラブの方針を説明する場として開催を明言していた記者会見は、4月に入っても実施されていない。

 ただ、サポーター連合が要求していたサポーターミーティングは、ホームに京都サンガF.C.を迎えた2日のキックオフ直前に急きょ実施されている。  サポーター30人との話し合いを終えた三木谷会長、神戸の徳山大樹社長、そして永井氏はメディアの囲み取材に応じたが、もちろんこれは記者会見ではない。説明がない状況が続いたなかで、新監督の就任会見で永井氏が唐突に切り出した。

 公の場で永井氏がパワハラ行為に言及したのは、今回が初めてだった。 「しっかりと反省、改善していくなかで、サッカー人としてヴィッセル神戸のために全身全霊をかけて取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いします」

 

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