神戸のロティーナ新監督就任会見に出席した永井秀樹SDに感じた違和感…「質問は新監督に関してのみ」の制限も
開幕からリーグ戦で続く未勝利が4分け5敗の「9」に伸び、従来のクラブワースト記録だった1999シーズンの「5」を大きく更新。総得点5はリーグで3番目に少ない一方で総失点15はリーグワースト。攻守ともにどん底の状況を変えられる唯一の存在として、ロティーナ監督へオファーを出したと明かした永井氏はさらにこう続けた。
「失点が多い現状を考えたとき、守備組織を再構築するところには非常に期待している。ただ、ヴィッセルのプロジェクトや哲学がまったく変わるものでもない。いい攻撃をするためにも守備が重要になる、という考えを持たれている監督なので」
清水の監督を解任された昨年11月以降、母国スペインへ戻ったロティーナ監督は長期の休養を取ると決め、他国のクラブからのオファーにすべて断りを入れていた。
「このクラブにいる選手たちを考えたときに、サッカーが与えてくれたプレゼントだと思った。大きな挑戦だが、大きなチャンスでもある。一瞬の迷いもなかった」
神戸から届いたオファーに即答したロティーナ監督は前日7日に来日し、新体制会見後に行われた練習を初めて指導。9日の前日練習をへて、くしくも古巣セレッソをホームのノエビアスタジアム神戸に迎える10日の初陣へ臨む。
「欠点を探すために日本へ来たわけではない。ゼロから組み立てながら、明確なゲームモデルを与えていきたい。サッカーは守備と攻撃の関係性が非常に重要で、その2つが1つになって成り立ってくる。チームが持ついい部分に、自分のやり方を上手くつなぎ合わせられれば、いいサッカーを展開できるのではないかと思っている」
ロティーナ監督の言葉からも、そしてヴェルディやセレッソ、清水を率いた軌跡からも緻密な戦術の浸透には時間がかかる。しかし、16日からはACLグループステージ6試合がタイで集中開催される。17位に低迷する神戸にとっては、早急にチーム状況を改善させなければJ2降格への恐怖もちらついてくる。限られた時間との戦いが始まった。 (文責・藤江直人/スポーツライター)