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ダルビッシュ有がドジャース戦で日米通算3000奪三振を達成。日本人メジャーリーガーとして野茂英雄氏以来2人目の快挙だ(写真・AP/アフロ)
ダルビッシュ有がドジャース戦で日米通算3000奪三振を達成。日本人メジャーリーガーとして野茂英雄氏以来2人目の快挙だ(写真・AP/アフロ)

米メディアがダルビッシュの日米通算3000奪三振を称賛…選手声から分析も「熱心な研究が上質ワインのように熟成させた」

 またチームメイトの祝福の声も紹介。3番に座るマニー・マチャド三塁手は「大きなマイルストーンだ。ものすごい量の三振数だ」と絶賛。レンジャーズ時代からのチームメートであるジュリクソン・プロファー外野手は「彼は本当に良くなっている」と止まらない成長を称えた。またパドレスのボブ・メルビン監督も「彼は3000個では終わらないと思う。私はそのように評価する」と、今後、奪三振記録を伸ばし続けるだろうと断言した。

 さらに詳しく通算3000奪三振を成し遂げた理由について迫ったのが、パドレスの地元紙であるサンディエゴユニオントリビューンだ。

「熱心なビデオ研究が、ダルビッシュを上質なワインに熟成させる手助けをしている」との見出しを取り、「ダルビッシュは先月36歳となったが、年齢に逆行するかのような投球を見せている。時は、いずれダルビッシュを苦しめることになるだろうが、現時点で、時間は彼にかまっていないようだ」との表現で、その変わらぬ実力を称えた。

 同紙によると、わずか2安打に抑えた7回無失点の記録は、今季15度の先発で2度目。ここまで通算223回あるメジャーでの先発で7イニング以上を投げて2安打以内に抑えたのは5度目、今季7イニング以上を投げたのは13度目でマーリンズのサンディ・アルカンタラ(18度)とフィリーズのアーロン・ノラ(14度)に次いで3番目に多い記録。アストロズのフランバー・バルデス(22度)に次いで2位となる18試合連続での6イニング以上投球の記録が含まれているという。まだ今季のダルビッシュのクオリティースタートは20度でMLBで2位(1位はバルデスの23度)となり、ダルビッシュが2013年にマークしたキャリアハイの21度に迫る数字であることを紹介した。

 また同紙は監督やチームメイトを取材してダルビッシュの記録達成の背景に迫った。  マチャドは、「彼はこの野球界の最高の投手の1人だ」と語り、メルビン監督は、「シーズンを安定して進め、我々が彼をマウンドに立たせ、イニングを重ねていく中で、多くのハードワークや準備をこなしている」と、その準備力を称えた。

 同紙は「すべての先発投手が多くの準備を重ねるが、パドレスで、ダルビッシュほど(準備に時間を費やす)投手はいない。登板しない日にダルビッシュが行っている一貫した行動をする選手は、ほとんどいない。フィールドでキャッチボール、調整を行い、ビデオルームで時間を費やし、彼はほとんどロッカールームにいることはない」と明かした。

 8月に5年総額1億ドル(約140億円)の大型契約を結んだ今季9勝6敗の右腕ジョー・マスグローブは、「細部にわたる取り組みで知られる」そうだが、ダルビッシュについて、こう語った。

「彼は、打者がどのカウントで、何の球種をどこのゾーンで(打ち取られている或いはヒットにしている)といったことをすべて綿密に研究している。私はそこまで細かく見ない。もし、それをやれば、自分にとって少しやり過ぎとなるからだ。しかし、彼はそれを気に入っているし、彼は、それに対処できる。彼は、どの球種においても(打ち取る)選択肢を持っている。彼にとっては、どのタイミングでどの球を使うかを見極めるだけだ」

 同紙によるとダルビッシュは、「たまに使う球種も含めて」11種類の球種を操り、そのうち6球種を全投球の5%以上で投げている。ただダルビッシュのスライダーとカーブはそれぞれ2種類ずつあるが、解析機器のスタットキャストでは、ボールの曲がりやスピードで大きな違いがあるにもかかわらずスライダーとカーブをそれぞれ1種類ずつとしているという。多彩な変化球を徹底した相手チームのデータ分析にはめこんでいく丁寧な作業を行っているからこそ、36歳のダルビッシュの投球は上質のワインのように熟成しているのだろう。

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