米メディアが大谷翔平の8回1失点&通算400奪三振を「珠玉の投球」と称賛…注目点は160キロの新球ツーシームとスタミナ
エンゼルスの大谷翔平(28)が3日(日本時間4日)、本拠地で行われたアストロズ戦に「3番・投手兼DH」で先発出場し、8回を投げ5奪三振6安打1失点での力投を見せた。大谷は通算奪三振を400の大台に乗せて、ベーブ・ルース以来、メジャー史上2人目となる400奪三振&100本塁打をクリア。また打者としては4打数ノーヒットでひとつの申告敬遠だった。大谷に勝ち負けはつかなかったが、チームは劇的サヨナラ勝利を収め、米メディアは大谷の力投を評価。160キロをマークした新球ツーシームなどに注目した。
「まるで大谷はマイケル・ジョーダンのようだ」
最高気温37度。汗だくになりながら大谷が力投した。メモリアルなイニングとなったのは3回だ。先頭のルーキー、マティエビッチをカーブで空振りの三振に打ち取り、これがメジャー通算400個目の奪三振。すでに本塁打は123本の大台に乗っていてベーブ・ルース以来となる400奪三振&100本塁打を達成した。
さらに続くマコーミックを数試合前から使い始めている新球ツーシームで見逃しの三振。球速は100マイル(約160キロ)をマークした。5回二死二塁からマティエビッチにライト前にタイムリーを落とされ先に失点したが、6回には二死満塁のピンチを切り抜け、7回に同点にしてもらうと、1失点のまま今季最多の111球で8回を投げ切った。
米メディアも大谷の力投を称賛した。
フィル・ネビン監督代行のコメントを引用して最大級の賛辞を贈ったのは地元紙のロサンゼルスタイムズだ。
「大谷が延長サヨナラでアストロズを倒す中で珠玉の投球」との見出しを取り、「大谷は前回の登板(7月13日)でもアストロズを12奪三振、4安打、2四球、1失点に抑え込んでいた。そして、この夜、3万8244人の観客を前に、少しオーダーが変わっていた打線から二桁奪三振はなかったが、また新たな素晴らしいパフォーマンスを見せた」とし大谷の力投を称えた。
そしてネビン監督代行の「彼は素晴らしかった。彼は調子が良いとき、そして自分が調子に乗れていることを分かっている。バスケットボール(NBA)のラリー・バード、もしくはマジック(ジョンソン)、あるいは(マイケル)ジョーダンのようだ」というコメントを紹介した。指揮官は、大谷の存在感をNBAのレジェンドに例えて絶賛した。
MLB公式サイトは「大谷がア・リーグのトップチーム(アストロズ)相手に8イニングの珠玉投球で新たな極みに達する」との見出しを取り、「大谷は新たな極みへと登り続けている。最近になり新たに組み込み始めたシンカーを誇示しながら、チームが延長12回に2-1でサヨナラ勝利した土曜日の夜に二刀流スターは8回を1失点に抑え、いつものように支配的だった」と称賛。 大谷がメジャー通算400奪三振をクリア、投球回数をキャリア最多の136としたことを紹介。
「大谷のメジャー4シーズンで作った403奪三振は、彼が日本プロ野球の5シーズンで記録した624奪三振に加えられる」と付け加えた。
同サイトが注目したのは160キロを叩き出した新球ツーシームだ。
「シンカー(ツーシーム)はア・リーグで最高成績のチームを相手に、この日、大谷の成功をもたらした大きな要因となった。前回2度の先発で合計13球を投げたその球をこの日は18球使った。以前よりも機能し、大谷自身もその新球を『すごく良い』と言っていた」と伝えた。
またネビン監督代行のツーシーム評も紹介した。
「見ればわかるだろう。プレートを17か18インチ(約43から約46センチ)横切っていた。98か99マイル(約158キロから約159キロ)が出ていて、これは打者にとって、特に右打者は、とても対応が難しい球になる」 その上で大谷自身の「感覚は良かったですね。数多く今日も試して投げましたけどコースも良かったですし、結果的にヒットになるのも何個かありましたけど、感覚は良かったと思います」という声を付け加えた。
また今シーズンの奪三振数が181となり、あと19奪三振で、200奪三振&30本塁打のメジャー史上初の快挙を成し遂げることを紹介した。