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エンゼルスの大谷翔平が約43億4000万円で1年契約を結んだ
エンゼルスの大谷翔平が約43億4000万円で1年契約を結んだ

米メディアが指摘する大谷翔平の1年43億4000万円の電撃契約に残った問題点とは?

 エンゼルスは1日(日本時間2日)、大谷翔平(28)と年俸3000万ドル(約43億4000万円)の1年契約で“電撃”合意したと発表した。2023年オフにFA権を得る大谷は、今季が2年契約の最終年で、大型長期契約か、FAを見越しての1年契約かに注目が集まっていた。1年契約の場合、大谷は年俸調停権を持っており、球団がどんなオファーを出すかも焦点だったが、年俸調停を回避してのメジャー最高額、日本人メジャー最高額で決着を見た。

 大谷は今季の年俸550万ドル(約8億96円)から約35億円アップ。これまで年俸調停を回避して1年契約を結んだ選手の最高額は、2020年にムーキー・ベッツ外野手がレッドソックスと結んだ2700万ドル(約39億800万円)だった。米メディアはさっそく今回の電撃契約の背景と今後の展望を分析した。

 「格安」「何も解決していない」
 大谷が結んだ電撃の1年契約は全米に波紋を広げた。

 MLB公式サイトによると、エンゼルスのフィル・ネビン監督代行は「彼にとって素晴らしいこと。オフシーズンに向かうにあたって彼に安心感を与えることはよいことだと思う。私の関係する範疇の仕事ではないが、彼を来季も指揮できることはとてもうれしい。もう少し長く一緒に入れるよう願っている」とのコメントを出した。
 年俸調停を回避した選手の史上最高額となる約43億4000万円を「格安だ」とバッサリ斬ったのは、オフのストーブ情報に詳しい米専門サイト「トレード・ルーマ―ズ」だ。

「大谷は、ただ単独のオールスター打者、オールスター投手としてだけでも高額年俸を手にすることができることを考えれば、エンゼルス側から見て約43億4000万円は依然として格安だ。エンゼルスや、大谷側が、過去に前例のない状況(二刀流の評価)で、どの程度の調停額を求めるかに興味がそそられていたが、今回は回避された」

 年俸調停にもつれこめば、さらなる大幅アップが見込めたのかもしれないが、大谷側が多くを求めなかったのだろう。

 そして1年契約を結んだものの、大谷が2023年以降もエンゼルスでプレーするのか、という問題については何も解決していないという見方が強い。

 地元紙のオレンジカウンティレジスター紙も「この契約は大谷のエンゼルスとの将来については何ら変化をもたらさない。両陣営は、単純に来年1月、もしくは2月に行う交渉を数カ月早く完了させただけだ」という見解。

「エンゼルスと大谷は、チームが(新オーナーに)売却されるまで、二刀流選手の2023年以降の将来についてのあらゆる決断を先延ばしにしていく可能性が高い」という見通しを伝えている。

 MLB公式サイトも、「この1年契約は、来年以降の大谷とエンゼルスとの将来に関しては何かを変えるものではない。(来年オフにFA権利を得る)大谷は、すでにもう1年チームの支配下にあったため、通常よりも早く調停を回避しただけに過ぎなかった」と同じような見解だ。

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