米メディアが指摘する大谷翔平の1年43億4000万円の電撃契約に残った問題点とは?
そして「非現実的だとはいえ、エンゼルスがこのオフに大谷をトレードすることを除外するものでもない」と続けた。複数年契約を結ばなかったことで、またトレード説が燻ることとなった。
大谷の今後の展望を語るとき切り離せないのが、新オーナーの方針だ。エンゼルスのアート・モレノオーナーは8月23日に球団売却の方針を公式に明かし、ロサンゼルスタイムズ紙のオーナー、パトリック・スーン・シャン氏、NBAウォリアーズのオーナーでもあるジョー・レイコブ氏、日本の投資家グループ、南カリフォルニアの投資家グループらが買収に声をあげているが、具体的に買収は進んでいない。大谷は「勝てるチーム」を求めており、新オーナーが資金を注ぎこみ、ポストシーズンに進出を果たすための大補強に出るのか、そして大谷に契約延長のオファーが出せるのかどうか、で大谷の決断は変わるだろう。
MLB公式サイトもその点に触れ、「オーナーの変更時期が大谷との契約延長の話し合いについて重要になるかもしれない。彼は“チームの勝利が最も大切なことだ”と過去に言及しているが、エンゼルスは、2015年以来、勝率5割以上でシーズンを終えたことがない。だが、新オーナーは球団の新しいビジョンを大谷に売り込むかもしれない。だが、それは来シーズン後に大谷の契約が切れる(FAとなる)前に実現しなければならない。もしエンゼルスが、彼と契約の延長ができなければ、大谷は2023年のオフに、エリートクラスの打者と投手で、ユニークな才能を誇るメジャーリーグ史上最も切望されるFA選手の1人となるだろう」と展望した。
またトレードルーマーズも「大谷がマウンドと打席の両方で全盛期のままFAへ向かう中で、2023年以降の将来については未解決のままとなっている。7月に29歳となるにもかかわらず、彼の二刀流能力は、2020年シーズンを前にドジャースと3億6500万ドル(約528億円)で契約延長したベッツを上回る野球史上最大の契約にたどり着くかもしれない」と指摘した。
エンゼルスの球団売却の動きとのリンクについても「新しいオーナーが、ぜいたく税を払うことになっても、チームを強化することに積極的な姿勢を示すかもしれず、大谷に対してトラウトやレンドンの長期契約を上回る平均年俸4000万ドル(約57億9000万円)以上の大型契約をオファーすることへの障壁がなくなるかもしれない」などと予想。2023年以降もエンゼルスでプレーする可能性のカギを握るのは、新オーナーの方針次第との見解を示した。いずれにしろ球団買収が早く決まらねば、大谷がFA権を得るまでに、契約延長交渉を行うこともできなくなる。