米メディアもソフトバンク千賀のメジャー挑戦に注目…「米球団にとって人気のターゲット」「リリーフでも成功できるかも」
ソフトバンクの千賀滉大投手(29)がクライマックスシリーズ・ファイナルステージで敗退した後に今オフに海外FA権を行使してメジャーリーグに挑戦する意向を表明したが、“お化けフォーク”を操る大物右腕の“参戦表明”に米メディアも反応した。
オフのストーブ情報に詳しい米専門サイトの「MLBトレードルーマーズ」は「千賀がオプトアウト(契約破棄権)を行使してFAへ」との見出しを取り、千賀の海外FA権行使に関する記事を掲載した。
記事は「千賀は2012年のデビューから、これまでのキャリアを通じて(ソフトバンク)ホークスでプレーしてきた。“太平洋を渡ってメジャーでプレーしたい”という願望を持っていると長年伝えられ続けていたが、ホークスは(海外FA権利を有する前に)ポスティングによるメジャー移籍を容認しない球団として知られていた。そのおかげで千賀はFA権を得るまで日本のプロ野球で9年間プレーして待たねばならなかった」などと、ここまでの経緯について説明。
その上で1年前にオンラインメディアのファングラフスで紹介された千賀の記事を引用する形で、そのピッチャーの能力について触れ、「千賀は4つの球種の一部として動く剛速球を持ち合わせている。1年前にファングラフスで書かれていたリポートでは、カッターやスライダーについては、ほとんど説明はなく、千賀のスプリッターが最高の変化球として強調されていた」と、千賀の武器である“お化けフォーク”を紹介した。
さらに、その記事を引用する形で「緊急のオプションとして(優れた)2つの球種を持ったリリーフ投手としても成功できるかもしれないが、先発として球速を維持する能力を示しており、メジャーでもそれを試す機会を得る可能性が高い」と評価した。
千賀は侍ジャパンの常連。2017年のWBCではチームは準決勝で米国に敗れたが、大会を通じて先発と中継ぎで4試合、11回に投げ、わずか1失点、16奪三振、防御率0・82の好成績で、大会ベストナインにも選出されるなど、当時からメジャーの各球団は千賀に熱視線を送っていた。
同メディアは、「千賀は彼の才能だけではなく、メジャー球団にとって人気のターゲットとして見られている。海外からメジャーにやってくる選手は、メジャーレベルで、その能力を証明できていないことから市場での価値を幾分、抑えられてきたという事情がある。今年の(メジャーの)FAには、ジェイコブ・デグロム(メッツ)、ジャスティン・バーランダー(アストロズ)、カルロス・ロドン(ジャイアンツ)のような大金が確約されるエリート級の投手が含まれる。市場で、これらの最上級のトップ選手を買い求めたくないチームにとって(そこまでの金額を必要としない)千賀は魅力的な選択肢として見なされるだろう」と指摘した。
さらに「ホークスがポスティングを拒否して球団のコントロール下から外れるまで千賀を保持したことから(移籍で)ポスティング費は発生しなくなる。千賀の件に関しては(ポスティング費用の)問題が一切なく、彼と契約をするあらゆるチームが、合意できる契約に合った金額のみを支払うだけでよくなるだろう」とも付け加えた。
一部では総額100億円のオファーを受ける評価があるとの声もあるが、同メディアは、千賀へのオファーを安く見積もり、ポスティング費用の発生しない千賀のマーケット価値は、さらに高まるのではないか、との予想をしているが、果たして…。いずれにしろ争奪戦は必至だ。