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打率を3割に乗せた近本が9回に広島の”守護神”栗林から執念の同点タイムリーを放つ
打率を3割に乗せた近本が9回に広島の”守護神”栗林から執念の同点タイムリーを放つ

糸井が中村奨が…どっちもどっちの走塁ミス“応酬”で延長12回ドロー…阪神は2分9敗でまた広島に勝てず

高代氏が指摘したのは、中村の走塁ミスではなく広島ベンチの采配ミスだ。

「中村の足は遅くないそうだが、延長10回二死から四球で出塁した松山の代走は、中村ではなく曽根だったと思う。ここは足のスペシャリストで勝負をかける場面。佐々岡監督は、まだ先に曽根を使う勝負所が残っていると考えたのかもしれないが、延長で切り札は残してはならない。転倒した中村のミスではあるが、ベンチの人選ミスだったと思う」

 だが、そのミスを阪神は流れに変えることができなかった。阪神にもミスがあったのである。  痛かったのは2-2で迎えた6回の糸井のボーンヘッド。二死二塁から代打・梅野がピッチャーに向けて打ち返したゴロは、センターへ抜けそうだったが、菊池がベースに大きく回り込んでストップ。菊池は、一塁ではなく三塁へ送球し、三塁を回っていた糸井は、間一髪、戻り切れずアウトとなったのだ。二死一、三塁の勝ち越し機が一瞬にして消滅した。

 名三塁コーチとして知られる高代氏は、「走者の糸井にとって背後の打球。三塁コーチとして非常に難しい判断を求められる局面だったが、打球を処理した二塁が名手の菊池であることを考えると、もっと三塁ベースの手前で早くアクションを起こして糸井を止めておくべきだった。本来は、背後の打球であっても、菊池のポジショニングや、その打球の当たり、方向で走者がある程度、予知しておかねばならないのだが、糸井にそれを求めるのは無理。WBCが蘇ったよ」と指摘した。

 高代氏は三塁コーチを務めた2013年のWBCの日本ラウンド台湾戦で、まったく同じような場面で走者の糸井をコーチャーズボックスの中で這いつくばってストップしたことがある。4回二死二塁で走者が糸井で打者が巨人の坂本勇人。その打球は、台湾先発の王健民のグラブを弾き、センターへ抜けようとしていたが、ショートがダイビングして打球を止めた。

 だが「抜けた」と判断した糸井は三塁を回った。下を向いて走っていた糸井は、高代氏の指示を見ていなかったため、その視界に入ってストップの指示を伝えようと、コーチャーズボックスに這いつくばって止めた。糸井は、あわてて三塁へ戻って事なきを得た。糸井の走者としての判断力の鈍さを藤本三塁コーチは把握しておくべきだったのである。

 

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