花束騒動に“神対応”メイウェザーは「仕方がない」と榊原CEOの謝罪を受け入れる…RIZIN側は「ごぼうの党」奥野氏に「表に出てきて謝罪すべき」と怒りの訴え
また奥野氏は、すぐに会場を立ち去ったため、なぜこういう行為をしたのかなどの事情を聴く機会を設けることもできなかった。 気になるのは、メイウェザーの受け取り方だ。
榊原CEOは、メイウェザーがTKOで試合を終わらせると、すぐさま赤コーナーに駆け寄り、TMTのジェームズ社長に謝罪。リング上でメイウェザーに詫びを入れたところ「劣化のごとく怒るということはなかった」(榊原CEO)と謝罪を受け入れてくれたという。
ただ榊原CEOは、「ジェームズ社長は“気にするな“と答えてくれたが、どこかで(日本は)アウエーであり、日本人に受け入れてくれていると思いながらも、それは表向きでのウエルカムで、本心は”これかよ”と(感じてしまったように)思わないでもなかった」と感じたため、再度、控室を訪れた。
メイウェザー本人に主催者としてそのような人物をリングに上げてしまった管理責任があることと謝罪の言葉を伝えたところ、「いろんなことがあるから。仕方がない」とまたまた神対応。「心を大きく受けてとめてくれた」という。
榊原CEOは「フロイドのプロとして、人間として、男としての紳士的な行動に救われた」とメイウェザーの一連の対応に関して感謝の意を伝えた。
榊原CEOは人物確認を怠ってリングに上げた管理責任を認めた上で、「今後このようなことが起こらないことを約束し防止策をとる」と明言。花束贈呈を行う関係者に対して、事前に「投げてはならない」などのモラルを徹底するという。
「あえて品性卑劣男と言いますが、何を目的にそういうことをするのかわからない。話題になることが目的の売名行為であるかもしれないので、話題に出すことも嫌」とした上で「愚劣な行為を悪いと思うなら表に出てきて謝罪すべき。法律で何か(法的措置)するのではなくもっと根源な部分で」と奥野氏にメイウェザーへの公式な謝罪を求めた。
奥野氏が代表を務める「ごぼうの党」は7月の参議院選挙に合わせて立ち上がった異色の政治団体で若者世代の税制見直し、大学生のスマホ無料化などの政策を打ち出し、俳優の山田孝之や山下智久、ロックバンド「ONE OK ROCK」ボーカルのTakaら多くの著名人が賛同したことで話題となり、朝倉未来もアドバイザー(顧問)に名を連ねていた。ネットでは、その関連性を問題視する声もある。 奥野代表自身は、各界の錚々たる著名人が利用する銀座の高級バーのオーナーとして知られ、格闘家との交友関係も多い。天狗の面をかぶった格好で選挙運動を行って注目を集めたが、議席はひとつも獲得できなかった。
レベルの違いを見せつけて朝倉を戦闘不能に追い込んだメイウェザーは、試合後の約30分に及ぶ会見でも、花束騒動に触れることなく、最後に「日本のみなさん、本当にありがとう。素晴らしい人、素晴らしい文化、そして謙虚な人。来日してからのサポートをありがとう。また帰ってきたい」と感謝の言葉でしめた。
約1名の謙虚ではない日本人に非礼な行為をされたにもかかわらず、こう言ってくれた“善き人“メイウェザーは、本当の意味での尊敬すべき最強のボクサーだった。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)