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西武の松井稼頭央新監督の就任会見が品川プリンスホテルで行われた
西武の松井稼頭央新監督の就任会見が品川プリンスホテルで行われた

西武の松井稼頭央新監督はライオンズを再建できるのか…東尾&辻&高津の3監督から学んだ流儀を生かす

 今年6月には指導者としてカルチャーショックを受けた。
 敵地・神宮球場に乗り込んだ西武の連敗で迎えたヤクルトとの交流戦の3戦目。ヤクルトが試合前の練習を自主参加に切り替えた光景に、固定観念を吹き飛ばされた。
 果たして、結果は3-5で競り負けた西武が3連戦3連敗を喫した。ヤクルトの臨機応変さに感銘を受けた松井新監督は、選手たちと年齢が近く、必然的に距離感をも縮められる自身の立ち位置を武器に変えて、コミュニケーションをより密にしていきたいと力を込めた。
「練習も大事ですけど、やはり選手の体調が一番なんですよね。どのようにすれば試合でベストのパフォーマンスを出せるのか、そのためにはチームとして何をすべきかという逆算も、機会があれば入れていきたい。そういうところを選手たちにも聞きながら、選手たちが通常の練習をやりたいと言えばやるし、(自主練を)やってみたいと言えば取り入れていきたい」
 ヤクルトの高津臣吾監督(53)は、2005年にメッツでチームメイトだった。さらにパ・リーグの指揮官では、楽天の石井一久監督(49)も2005年にメッツでともにプレー。2年目を迎える日本ハムの新庄剛志監督(50)も2001、2003年にメッツでプレーしているだけでなく、この日に就任会見に臨んだロッテの吉井理人新監督(57)も1998年から2シーズン、メッツに所属している。
「そう言われればそうですよね。何かの縁があるのかと、それぐらいしか言えないですよね」
 12球団の監督のうち、現役時代にメジャーでプレーした経験がある5人全員がメッツに所属していた偶然に思わず苦笑した松井新監督は、あらためて熱い思いを抱負に込めた。
「選手たちがワクワクしてプレーしないと、ファンのみなさまもワクワクしない。新任で大丈夫かという不安もあるかと思いますが、さあいくぞ、という感じで優勝、日本一を目指していきたい」
 掲げられた大きな柱は「常勝」と「育成」の両立。すでに17日の秋季練習から指揮を執っている松井新監督は20日のドラフト会議にももちろん出席し、1位指名が公表されている早稲田大のスラッガー、蛭間拓哉外野手(22)の交渉権獲得を祈りながら他球団の動向を見守る。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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