長野久義の”恩返し”で広島に大敗して4位に転落した巨人の問題点とは…「リーダ不在」と「カープと対照的なチーム風土」
巨人が16日、東京ドームで行われた広島戦に4-11で完敗した。元巨人の長野久義(37)に1号ソロ、2号満塁弾の2打席連続アーチを浴び3回を終えた時点で0-10と投手陣が崩壊、4連敗で4位に陥落した。2位に浮上した広島から延長の末、中日に1-3で敗れた5位の阪神までゲーム差は1。大混戦のCS争いを生き残るのは?
長野が1号&2号満塁弾で古巣に“恩返し”
東京ドームのG党を凍りつかせた。
「6番・レフト」でスタメン抜擢された“元巨人”の長野だ。2回に巨人の先発アンドリースから先制の1号ソロをレフトスタンドに放り込み、37歳のベテランは何かを思い出したかのように覚醒した。
3回。メジャー凱旋の秋山、マクブルームの連続タイムリーを含む5連打を浴びせて0-4と点差を広げてアンドリースをKOすると、2番手の左腕、戸根から、さらに無死満塁として長野がバックスクリーン右に8年ぶりとなる満塁弾を叩き込んだのである。前日も延長戦の末、磯村がプロ初となる満塁弾で決着をつけたが、その再現。
「感触はあまり覚えてないんですけど、フェンスを越えてくれて良かった」 今季1号は、ど真ん中のチェンジアップ、2号は外角のストレート。今の長野は“無双”状態である。
打者が一巡して菊池のタイムリーまで飛び出して10―0。先発は2日の巨人戦、9日の中日戦と2試合連続の無失点で安定感の出てきている森下である。一方の巨人は打線が不振で3回まではパーフェクトに抑えられていた。もう勝負の行方は決したも同然だった。
巨人は、7回に丸の18号ソロから口火を切り、4点を返して森下をマウンドから引きずり降ろした。なお、二死満塁のチャンスで丸に、このイニング2度目の打席が回ってきたが、2番手の矢崎が腕を振った149キロの高めのストレートに手を出してキャッチャーファウルフライに倒れ“ビッグイニング返し”はできなかった。
これで巨人は4連敗。広島と順位が入れ替わり、横浜DeNAがヤクルトにサヨナラ勝ちしたこともあり、わずか0.5差ながら4位に転落した。
各社の報道によると、試合後、原監督は「序盤、3回だけは消したいところだけど…我々は目を背けることはできない」と嘆き、一方の佐々岡監督は、場内でインタビューに応じて「長野のホームランから、3回も(打線が)つながった中で、また長野の満塁本塁打。大きかったですね」とヒーローの長野を称えた。