長野久義の”恩返し”で広島に大敗して4位に転落した巨人の問題点とは…「リーダ不在」と「カープと対照的なチーム風土」
ファームでの復帰予定が雨で流れた坂本の穴を埋める役目の丸は一発を放ち、中田も2安打と気を吐いたが、中山や増田陸といった若い選手を引っ張るまでのリーダーシップは発揮できていない。外国人にいたっては、途中出場のウォーカーが4の0。7試合ヒットがない。性格的に岡本には、ヤクルトの村上のような前に出ていく姿を求めるわけにはいかず、流れを変える選手が不在。前日の試合後に原監督は「誰かが出てくれないと」と熱望していた。
一方の広島は、秋山が、この日も2点タイムリー。目を覚ました長野は「雰囲気は負けても勝っても変わらない。みんな軽くやってます(笑)凄く盛り上がってます」と語っていた。
新外国人のマクブルームは4番として.286、12本、52打点の結果を残している。両チームが歩んできたチーム強化の方針の違いが、この雰囲気の違いを生み出しているとも言える。
では、大混戦のCS争いを抜け出すチームはどこなのか。
橋上氏が評価するのは、勢いの出てきた広島と阪神だ。
「投手陣のいい阪神、8回のブルペンをどうするかという問題があるにしろ、投打が噛み合ってきた広島の2チームが上位に残っていくと思う。巨人は、今の状況のままでは厳しいだろう。Bクラスで終わることもあると思う。ただ、この混戦は、まだまだ続くと思うし、巨人は8月に猛暑を避ける東京ドームの試合が12試合もある。その地の利をどう生かすか」
巨人の防御率3.93はリーグ最下位で、救援防御率は、4点台。唯一チーム本塁打数が103本でトップだが、チーム打率.244はリーグ5位で勝つべきデータも揃ってこない。しかし、橋上氏が指摘するように巨人は8月の26試合中、東京ドームの試合が12試合で、ホーム扱いの京セラドームの試合も2試合ある。ホーム成績は今季25勝22敗。その地の利を味方につけることができるのか。
(文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)