阪神が大山、近本、中野不在に加え矢野監督”チグハグ采配”でBクラス転落危機の3連敗…ハマスタで2勝9敗と勝てない理由とは?
才木は、先頭の牧にヒットを許したが、宮崎を三塁ゴロ、続くソトを渾身の150キロのストレートで三振に打ち取った。まだ球数は83球だったが、トミー・ジョン手術明けで、しかも、ボールがシュート回転し浮きはじめていた才木にとって、この1球が限界だった。
二死一塁から打席に入った7番の嶺井は、「(才木は)いいストレートを投げるのでボールに振り負けないように」とストレートに的を絞っていた。ボールが2つ先行しての3球目。やや外角寄りに甘く入った145キロしか計測されなかったストレートは勝ち越しの2ランとなってレフトスタンドへ消えていった。
ただまだ2点差だった。意気消沈する才木は、続く柴田に一、二塁間を破られるヒットを許した。勢いに乗る横浜DeNAは、とっておきの代打オースティンをコールした。ここで才木は交代させるべきだったが、阪神ベンチは続投させ、左中間を襲うヒットを打たれた。丁寧さに欠けたベンチワークの結末である。
さらに痛恨の守りのミスが出る。打球に追いついたセンターの島田がなんとファンブル。しかも中継に入った木浪がホームへとんでもない悪送球。ダブルエラーで4点目を献上してしまったのである。チームの失策数は65となり巨人と並びリーグワースト。タイムリーエラーの11もリーグワーストである。緊急事態にミスが重なっては勝てるわけがない。
前日に追い抜かれた横浜DeNAとは1.5ゲーム差となり、不調の4番岡本を6番に下げ中田を新4番に抜擢した巨人が中日に連勝したことで4位の巨人とのゲーム差も1に縮まり、Bクラス落ちの危機にさらされることになった。近本、小幡が、新型コロナで陽性判定されたことで長期離脱も決定。再浮上の材料もない。
前出のOBが言う。
「投手力では抜きん出ているんだから確実に1点を奪う野球で守り勝つしかない。とにかくベンチが、投手陣と選手を信じてどっしりと構え乗り切るしかないのでは」 今日12日からは第2本拠地の京セラドームで中日との3連戦。西勇と大野雄のマッチアップは、ロースコア必至のゲーム展開となりそうだが、手堅く1点を刻み、西勇の“奮投“に期待するしか連敗脱出の手立てはなさそうである。
(文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)