阪神のマルテ、ロハス・ジュニア、ガンケルらが退団…”新生岡田阪神”の外国人選手はケラー以外総入れ替えでスリム化大改革!
ウィルカーソンも安定した制球力を生かしてスタート当初はローテーに入ったが、本来、絶対的なボールがない投手。対戦を重ねると相手チームに研究されるようになって徐々に通用しなくなり、8月4日の巨人戦で5連打を浴びるなど2回持たずに5失点KOされて以来、1軍昇格はなかった。14試合登板で5勝5敗、防御率は4.08だ。中継ぎ要員のアルカンタラは39試合に登板して17ホールドをマークしたが、1勝3敗、防御率4.70で安定感に欠けた。3投手はCS前に“戦力外”と判断され、すでに帰国している。
その中でケラーだけが生き残った。
開幕当初は、調整不足に加えて、カーブしかない球種の少なさも手伝い、チームとして7点差をひっくり返された開幕のヤクルト戦で救援に失敗。3月29日の広島戦でも1点を守りきれずにサヨナラ負けを喫して、わずか2試合の登板で2軍落ちを命じられた。
だが、2軍で調整する中でスピードが150キロ後半まで戻り、落ちるボールを覚えるなど、本来の実力を発揮できるようになり、最終的には34試合、防御率3.31、5ホールド3セーブの成績で来季も引き続きブルペンを支える選手として評価され残留が決定。CSでもメンバ―入りした。ただしストッパー候補ではないという。
現在、新外国人についての調査も進めているが、来季は、本来の少数精鋭主義に戻して4、5人程度に収めたいという考え。外国人を多く抱えると、1軍枠からあふれた選手をファームでも起用せねばならなくなり、必然、若手の出場機会が減り、特に野手に関しては、複数の外国人を抱えるプラス効果は見られなかった。
新外国人は野手では長打力のある右打ちの外野手1人だけに絞り、残りは先発を軸にした投手になる方向。
岡田氏が、2005年にチームを優勝に導いた際も、外国人はジェフ・ウィリアムスを除き全員が新外国人で投手3人、野手2人の5人体制を敷いた。投手のジェイミー・ブラウン、ダーウィン・クビアンは、戦力とならなかったが、広島から移籍したアンディ・シーツは、3番打者として打率.289、19本塁打、85打点の成績を残し、シェーン・スペンサー外野手も金本知憲氏、今岡真訪氏のあとを打つ対左投手用の6番打者として存在感は示していた。2人共に右打者で岡田氏は、まだ見ぬ来季の新外国人にシーツの再来を期待しているのだろう。いずれにしろ投打の新外国人が、悲願の優勝のミッションを背負う“新生岡田阪神“の浮沈のカギを握ることになりそうだ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)