阪神は原口ハーフスイングの“誤審疑惑“が原因でヤクルトに敗れたのか…ネットで沸騰したリクエスト必要論議
セのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第1戦が12日、神宮球場で行われ阪神がヤクルトに1-7で完敗した。問題になったのは3点を追う2回無死二塁で原口文仁(30)が一塁の山路哲生塁審(43)にハーフスイングを三振と判定された場面。ネット上で「振っていない」との “誤審疑惑”が持ち上がった判定で、阪神は貴重な反撃機を逃し、「ハーフスイングもリクエスト対象に含むべし」の議論がネット上で沸騰した。阪神は“誤審疑惑”で敗れたのか。そして、その議論の是非は?
温厚な原口がキレて怒声…白井球審の“神フォロー”も
ひとつのハーフスイングの判定が間違いなく序盤戦の流れを左右した。
西勇が立ち上がりにサンタナに先制3ランを浴びた直後の2回。先頭の4番の大山がCS初ヒットとなる三塁線を破る二塁打で出塁した。続く原口は、“ライアン”小川にフルカウントまで追い込まれたが、右打ち進塁打へと切り替え、ボールを引き付けて5球も連続してファウルで粘った。
そして13球目。5球続けてストレートで押していた小川は、さすがに折れて外角低めに変化球を投じた。原口はスイングを仕掛けたが、手首も返さずバットのヘッドがベース板にかかる遥か前にストップ。四球を選んだかに思えたが、白井球審が一塁の山路塁審に判定を求めた。すると山路塁審は、右手を上げてスイングを認め空振り三振と判定されたのだ。
温厚な原口もさすがにキレた。ヘルメットを脱ぎ、山路塁審に対して何やら怒声を発した。場内は騒然としたが、公認野球規則「審判員の裁定」では「監督が、ハーフスイングに異議を唱えるためにダッグアウトから出て一塁または三塁に向かってスタートすれば警告が発せられる。警告にもかかわらず一塁または三塁に近づけば試合から除かれる」とあり、監督の抗議が認められていないため、矢野監督がベンチを飛び出ることはなかった。
無死一、二塁が、一死二塁となり、続く佐藤はセンターフライ、糸原もライトへのライナーに倒れて得点できなかった。
なんともモヤモヤした阪神の攻撃が終わり、原口はベンチから走って一塁の守備に向かったが、白井球審が声をかけ、まるで“悪かったな”と伝えるように、背中を二度、三度、ポンポンと叩くと、原口も笑顔でうなずき白井球審の腰をポンポンと叩き返した。
白井球審も4月に千葉ロッテの佐々木朗希がストライクボールの判定に不服そうな顔を浮かべた際にマウンドに詰め寄り物議を醸した人物。ネット上では「神フォローだ」と称える声もあったが、球審が“誤審疑惑”を認めて慰めるような態度を示すのもどうなのか。
そもそもルールブックにハーフスイングに対する定義はない。
一般的には手首が返ったかどうか。バットのヘッドがホームベースに完全にかかったかどうかで判断される。報道によると矢野監督は試合後に「振っていない。ちゃんと見て欲しい」との不信感を口にしたそうだが、阪神で長年チーフスコアラーを務め、北京五輪の日本代表チームの“007”も担当した三宅博氏は、「疑惑ではなく完全な誤審。原口は振っていない。北京五輪時に調査したが、メジャーや国際試合では、振る意思を示しただけで、ハーフスイングを厳しく取られるが、日本の審判の判断基準は昔から違っている。手首は返っていないのだからスイングではない。ハーフスイングの基準を今季から変えたというわけでもないだろう」と、山路塁審の判定に厳しい指摘をした。