元GM補佐に聞いた阪神の藤浪とソフトバンク千賀の本当の評価…「フジナミは球団によって評価が割れる」
2016年に移籍した前田の場合、交渉を始める前に検査を行い、異常が判明した。具体的な内容までは明かされなかったが、結果として契約総額は、8年2500万ドル(約34億7500万円)に抑えられた。しかし、ある程度の出来高をクリアすれば、8年間の総額は1億ドル(約139億円)を超える計算だった。
その前田は、昨年9月に靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。それが2016年の時点で明らかになった“異常”が直接的な原因なのか、靱帯の経年劣化が要因なのか、その特定は難しいものの、千賀の獲得を考えているチームにとって今年前半の離脱は当然ながら無視できず、慎重にその要因と今後への影響を判断することになる。
なお、日米のボール、マウンドの違いなどは、「心配ないのでは」とのこと。
「2017年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも、ボールの影響を感じなかった。(準決勝が行われた)ドジャー・スタジアムのマウンドでも力を発揮した。彼の適応能力は高い」
その点は、藤浪についても、「懸念とまでは言えない」という。
「今年からメジャーのボールが変わり、縫い目が高くなり、皮も柔らかくなった。かなり、握りやすくなっているはず。マウンドは馴れることで、ある程度は、対処できる」。
ただ藤浪の場合、「評価そのものが難しい」そうだ。
「球団によって大きく割れるのでは」。
1年目から3年連続二桁勝利をマークし、3年目には221三振を記録。
「ポテンシャルは日本人選手の中でも屈指。当時、松坂大輔、ダルビッシュ有(現パドレス)、田中将大(現楽天)のような実績を引っさげ、メジャーに挑戦することを疑わなかった」
4年目から制球難に陥って、おかしくなり、しばらく迷走。ここ数年でようやく立ち直りの兆しを示して、今季は16試合に登板(先発は10試合)、防御率3.38、3勝5敗、三振奪取率8.78の数字を残しているが、「それをどう判断するか」だという。
「乗り越えたのか。まだ、その過程なのか」
後者である場合、「球団のバイオメカニストの力量が問われるのでは」と推測した。