元GM補佐に聞いた阪神の藤浪とソフトバンク千賀の本当の評価…「フジナミは球団によって評価が割れる」
「藤浪だけに限らないが、調子を崩した投手がいるとする。どこをどう修正すればいいのか。いまや、動作解析を行い、バイオメカニストが修正プログラムを組むのが一般的だが、まだ、その際のデータの活用や指導においては球団で差がある。彼らが、藤浪のメカニックと動作解析の数値を照らし合わせて、『伸びしろがある』と積極的に獲得を後押しできるのか、『手に負えない』と消極的な意見をGMらに伝えるのか。そこで違いが生まれるのではないか」
例えば、動作解析だけでなく、投げる球の変化量、回転軸、回転方向、リリースエクステンションといった投球データの分析に長け、そうした面でのノウハウにも定評のあるアストロズ、ドジャース、ジャイアンツなどは藤浪の再生に自信を持ち、逆にエンゼルス、マリナーズなど、周回遅れのチームは確信が持てず、獲得に消極的となりうるーーということのよう。
「逆にそこは、代理人のスコット・ボラス氏がうまくデータを示して、話をするかもしれないけどね」
いずれにしても、「契約総額では、望む額には達しないかも知れない」という。
「投資額はリーズナブルだが、大化けしうる、というカテゴリーに分類されるタイプ。年俸を低くして、手厚い出来高で結果に応える。まさに、前田のような契約になる可能性が高い。逆にその方がチームも手を出しやすいし、藤浪に意中の球団があるなら、話もまとまりやすい」
先発か中継ぎかも、「固定しないで話を進めたほうが、いいのでは」とのこと。「藤浪が先発にこだわれば、間口を狭めてしまう。入ってからの勝負で間に合う。力が本物なら、自然にローテーションに入る」。
年俸はせいぜい200万(2億7800万円)〜300万ドル(約4億1700万円)かもしれない。しかし、イニング数などの出来高をクリアすれば、その倍は稼ぐ契約を結ぶことは可能なようだ。
「さて、どこがどう動くか。藤浪のケースは珍しいので興味深い」
すでに渡米している千賀は、10日(日本時間11日)から交渉が解禁されおり、藤浪は、12月15日までがポスティング申請期間で大リーグ30球団に通知された翌日から30日間が交渉期間となる。
(文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)