• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • DF中山雄太の代役にFW町野修斗を抜擢したW杯緊急サプライズ人事に本当に不安はないのか?
故障でW杯欠場となったDF中山雄太の代役に選ばれたのはFWの町野修斗だった(写真・アフロ)
故障でW杯欠場となったDF中山雄太の代役に選ばれたのはFWの町野修斗だった(写真・アフロ)

DF中山雄太の代役にFW町野修斗を抜擢したW杯緊急サプライズ人事に本当に不安はないのか?

 日本の最終ラインは、中山以外にも不安を抱えていた。
 9月に左膝内側側副じん帯を部分断裂する重症を負った板倉滉(25、ボルシアMG)は、実戦復帰を果たしていない段階で代表入りした。3日(日本時間4日未明)には、冨安健洋(24、アーセナル)が右太ももあたりを痛めて戦線離脱。5日のJ1リーグ最終節では谷口彰悟(31、川崎フロンターレ)が鼻骨を骨折するなど、センターバック陣に怪我が相次いでいる。
 しかし、町野が追加招集されるまでの数日間で状況は好転しつつあった。
 怪我の詳細が不明だった冨安に関して、アーセナルがクラブ公式ツイッター(@Arsenal)を日本時間7日深夜に更新。引用されたクラブ公式サイトは、冨安についてこう言及している。
「W杯前の残り試合への出場可否を検討中だが、大会には参加できるはずだ」
 谷口は「正直、鼻は『やれ』と言われたらいつでもできる」と問題なしを強調。患部を保護するフェイスガードの着用を視野に入れながら、自身初のW杯へ決意をみなぎらせた。板倉に関してはヨーロッパへ派遣しているドクターやトレーナー、JFAヨーロッパオフィスの駐在員からの報告をもとに、W杯本番にはコンディションが戻ると判断されて選出に至っていた。
 特に最終ラインの要になる冨安は、アーセナルでは左右のサイドバックとしてプレーしている。さらに右サイドバックの酒井宏樹(32、浦和レッズ)だけでなく、サイドアタッカーとして抜擢された相馬も鹿島アントラーズへの期限付き移籍時代に左サイドバックでプレーした経験がある。
 森保監督は一連の状況を受けて、左サイドバックは長友と左利きで身長186cm体重78kgとサイズもある伊藤洋輝(23、シュツットガルト)をメインにする形でいけると判断。最終ラインの枠を発表時の「9」ではなく「8」へ減らし、中山の代わりに攻撃陣の追加招集に至ったのだろう。
 追加招集の条件は攻撃のオプションを広げられる選手となる。特にFW陣は182cm71kgの上田綺世(24、セルクル・ブルージュ)を除けば、173cm67kgの前田大然(25、セルティック)、173cm71kgの浅野拓磨(27、ボーフム)と上背に欠けている。
 FW陣に「高さ」を加えるとなればブラジル、ドイツとW杯に2大会連続で出場した経験を持ち、森保ジャパンもけん引してきた182cm71kgの大迫勇也(32、ヴィッセル神戸)が真っ先に思い浮かんでくる。しかし、大迫自身は5日のマリノスとの最終節後に、復帰が有力視されながら落選したカタールW杯日本代表に対して次のように言及していた。
「メンバーに入っていない。それだけです。バックアップメンバーにも断りを入れたので」
 ポジションも、名前も、そして人数も明かされていないバックアップメンバーが、カタールW杯代表選手を入れ替える場合の対象となる。大迫によれば、JFAからバックアップメンバー入りの打診を受けたのは、代表メンバー発表から一夜明けた2日だった。

関連記事一覧