今夜の日本戦に重圧?!コスタリカ指揮官が公式会見で母国メディアの批判に一触即発“不穏ムード”「今は口論すべきではない。勝ちにいく」
対照的にキャンベルは、連続する辛辣な質問に我慢できなかった。たとえば「明日の試合では、生まれ変わった姿が見られるのか」と問われた直後。高ぶった感情が顔をのぞかせた。
「生まれ変わる必要などない。なぜならば、私たちはまだ死んだわけではないからだ。ただ、明日の試合で勝ちたいとも言わない。フットボールは何が起こるかわからないので、最善の準備をするとしか言えない。サウジアラビアがアルゼンチンに勝つと、世界中の誰が思っていただろうか」
1998年のフランス大会から出場チーム数が「32」に増加。AからHまでの8組に分かれたグループステージで、上位2位までの16チームが決勝トーナメントに進出する現行方式で行われてきたロシアW杯までの6大会で、初戦で黒星を喫したのは延べ76チームを数える。
このうち負けたショックを引きずったまま、グループステージ敗退を喫したのは68チーム。敗退確率は89.5%に達する。しかし、数こそ少ないものの、8チームは短期間で立て直して2位以内に食い込んでいる。8チームのうち5チームは第2戦以降で連勝をマーク。2010年南アフリカ大会のスペインと前回ロシア大会のコロンビアは、グループ1位で突破を果たしている。
初戦で7失点を喫しているコスタリカは、得失点差の争いになった場合は不利な立場になる。それでも可能性はゼロではない。スアレス監督は日本戦で、4バックと5バックを状況によって使い分けていくと明言。努めて前を向く指揮官の姿勢にキャンベルも同調した。
「日本は強いし、ドイツに勝って士気も上がっている。それでも可能性があると信じて戦う」
伝統の堅守速攻スタイルで北中米カリブ海予選を4位で通過。ニュージーランド代表との大陸間プレーオフも勝ち抜いたコスタリカの映像やデータをチェックしている日本の選手たちは、初戦でスペインに喫した大敗を「事故のようなもの」と異口同音に振り返っている。
ドーハ市内の活動拠点で26日の練習に臨んだキャプテンのDF吉田麻也(34、シャルケ)も「W杯に出てくるチームで、簡単なチームはない」とコスタリカへの警戒心を緩めなかった。
「相手が前からプレスをかけてくるのか。それとも、まずは守備を固めてくるのかはわからない。両方に備えておく必要があるけど、そのなかでも先に失点しないこと。0-0の時間が長くなるほど、相手にプレッシャーがかかる。ドイツに勝っても負けても、第2戦で勝ち点を取る僕たちのプランは変わらなかった。ただ、初戦で大敗したことで、意地をかけて臨んでくると思っている」
公式会見に臨んだ森保監督も、勝って兜の緒を締めよ、とばかりに言葉を紡いだ。
「ドイツ戦での勝利は、コスタリカ戦の勝利を約束してくれるものではない。対戦相手も違うので、戦い方もしっかり整理していかないと、コスタリカ戦はモノにできない」