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”親友”井上尚弥(右)の助言でボクシング挑戦を決断した元Jリーガーの山口聖矢(左)がプロテストに一発合格した(写真・山口裕朗)
”親友”井上尚弥(右)の助言でボクシング挑戦を決断した元Jリーガーの山口聖矢(左)がプロテストに一発合格した(写真・山口裕朗)

”親友”井上尚弥の助言でボクシング挑戦を決断した元Jリーガの山口聖矢がプロテストに一発合格…その潜在能力と可能性とは?

 今年の正月。そんな親友の姿を見てきた井上から「ボクシングをやってみたら」と意外な提案を受けた。井上が英国グラスゴーで戦ったWBSS準決勝のIBF世界同級王者、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との2団体統一戦にも自費で同行。2ラウンドで倒した衝撃の試合を見て「凄かった。常に刺激を受けていたけれど、あのWBSSはインパクトが強かった」と、ボクシングの魅力に引き込まれていた。    
 親友の言葉にボクシングへの挑戦を決断。すぐさま真吾トレーナーに「お願いします」と連絡を入れた。真吾トレーナーからの相談を受けた大橋会長は、「本気でやるということだったので」と、29歳にしての異例の挑戦を受け入れた。
「何もわからない状態から始めて、教えてもらったことができた時は楽しさにつながる。元々、サッカーの時から闘う系のプレースタイルだったので(殴り合うことへの)怖さはなかった。逆に楽しみはあった」
 殴り合うことへの恐怖感もなく、親友が人生を捧げたボクシングの深みにはまったが、サッカーとはまったく違う過酷なトレーニングに苦しんだ。
「スタミナの使い方がサッカーとは違うので苦労している」
 山口は、サッカーの現役時代に井上兄弟らの熱海合宿に参加したこともあったが「1日で筋肉痛になった」という。
 それでも根を上げなかった。
「井上家の面目があるので」
 井上家に“弟子入り“した以上、中途半端は許されない。

 では、山口の潜在能力と可能性はどうなのか。
 大橋会長は、「まったくの素人から始めて、1か月、2か月、3か月で凄い伸び方をしていた。11か月でプロテストは大橋ジムでは史上最短。今日は相手がサウスポーということもあって出せなかったが、左フックが凄い。ブルファイターだね」と、その成長度に目を見張り、幼い頃から親交のある井上浩樹は、「サッカーをやっていて足腰が強いのがまず一番。僕ももらったら、やばいと思うくらいのパンチ力がある。いざ試合になるともっと凄い」と絶賛した。パンチは足で打つと言われている。Jリーガーとして鍛えた下半身の基礎体力がベースにあり、それが天性のパンチ力につながっているのか。山口自身も「周囲からも(パンチがあると)言ってもらっている。そこは特長」と話した。
「短期の目標はまず新人王」
 1月の時点で体重は75、6キロ。今回のプロテストは69.5キロで受験したが、リミット61.23キロのライト級での新人王戦への挑戦を考えていて、6月に井上がノニト・ドネア(フィリピン)と3団体統一戦で再戦した際には、テストとして一緒に減量に取り組み、ライト級をリミットをクリアしたという。
 今回も「終わったら一緒に美味しいご飯を食べよう」と、バトラー戦に向けて減量している井上と共に体重を落としている。大橋会長も、新人王挑戦プランに前向きで、まだ最終結論には至っていないが、早ければ来年度の新人王挑戦がデビュー戦となりそうだ。

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