明日W杯運命のスペイン戦…遠藤欠場濃厚の緊急事態に鎌田ボランチ起用の秘策はあるのか…直球質問を受けた本人の答えは?
ドイツ戦とコスタリカ戦で試合中に移行している3バックへも、長友を左の、伊東純也(29、スタッド・ランス)を右のウイングバックへ配置することで選手交代なしでスイッチできる。さらに勝負どころで、長友に代えてMF三笘薫(25、ブライトン)も投入できる。
となればダブルボランチの先発は鎌田と守田英正(27、スポルティング)。2列目は右から伊東、南野拓実(27、モナコ)、久保建英(21、レアル・ソシエダ)が並び、1トップの前田大然(25、セルティック)が自慢のスピードを攻守両面でフル稼働させる。
ゴールがほしい状況では、三笘以外にもFW浅野拓磨(28、ボーフム)や堂安、中盤の底から鋭いスルーパスを繰り出せる柴崎岳(30、レガネス)と攻撃面で交代のカードを切れる。
ミーティングや非公開練習中のピッチでは、堂安だけでなく久保や板倉らの東京五輪世代からも積極的に意見が飛び交ったという。A代表と同じ[4-3-3]システムのもと、同じコンセプトで日本を圧倒した東京五輪準決勝の悔しさがまさにいま、生かされようとしている。
コスタリカ戦ではイージーミスを連発。試合後に自らにダメ出しをした鎌田は特に怪我もなく、コンディションも問題ないと強調。その上でスペイン戦を見すえた。
「自分たちの結果次第で上に行ける可能性が残っている。他力ではなく、自分たちでどうにかできるチャンスをものにできるように準備していきたい。僕は自分に対しても、いままでやってきたことに対しても自信がある。なので、自分を信じてプレーするだけです」
グループE最終戦のキックオフは12月1日22時(日本時間同2日4時)。日本がスペインに勝てば無条件で決勝トーナメント進出が決まり、引き分ければ同時間帯に行われるドイツ対コスタリカの結果に委ねられ、負けた瞬間に日本の敗退が自動的に決まる。遠藤が欠場するピンチをボランチ鎌田で乗り越えるシナリオを、日本はピッチの内外でぎりぎりまで練り上げていく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)