11.1発表のW杯メンバーを「だいたい固まっている」と明言した森保監督の”胸の内”を読み解く…当落選上の選手は誰だ?
森保監督によれば、浅野と板倉の治療にはそれぞれの所属クラブのメディカルスタッフに、日本代表のスタッフも加わっているという。異例の体制下で、指揮官は「彼らの状態は逐一、連絡がくるようになっている」と明かした上で、さらにこんな可能性もつけ加えた。
「ワールドカップ直前の活動から参加してもらえるように、できればその前のリーグ戦で彼らがプレーする姿が見られるのがベストですけど、本大会においていい状態でプレーできると確認できれば、招集する可能性も考えていきたい。最終的な結論に関してはメンバー全体を見た上で、スタッフミーティングで協議して決めていきたい」
たとえメンバー発表前で戦列復帰を果たしていなくても、カタール大会開幕までに状態が戻る確証が得られれば、浅野と板倉をぶっつけ本番で招集する考え方まで明らかにした。
大迫だけでなく浅野と板倉も招集されると仮定すれば、26人の顔ぶれはどうなるのか。
ゴールキーパーに関して、森保監督は3人体制で臨むとすでに明言している。4人が名を連ねたドイツ遠征の招集メンバーのうち、必然的にアメリカ、エクアドル両代表戦で出番のなかった川島永嗣(39、ストラスブール)か、あるいは谷晃生(21、湘南ベルマーレ)のどちらかが外れる。
センターバックとして進境著しい板倉がいれば、冨安健洋(23、アーセナル)を所属クラブと同じ右サイドバックでプレーさせる布陣が可能になる。左サイドバックをともに左利きの中山雄太(25、ハダースフィールド)と伊藤洋輝(23、シュツットガルト)に任せて、エクアドル戦で1対1の攻防において群を抜く存在感を示した長友佑都(36、FC東京)を右に回す形も生まれる。
となると、ドイツ遠征に招集された最終ラインからは、2戦続けてベンチ外だったセンターバックの瀬古歩夢(22、グラスホッパー)と、エクアドル戦で相手攻撃陣への対応に苦慮した右サイドバックの山根視来(28、川崎フロンターレ)が苦しい立場に置かれる。
中盤でもプレーできる板倉は、ダブルボランチのファーストチョイスとなった遠藤航(29、シュツットガルト)と守田英正(27、スポルティング)のバックアッパーにもなる。
必然的にエクアドル戦でアピールできなかった柴崎岳(30、レガネス)と立場が入れ替わるが、森保監督は代表活動を終えた先週末にポルトガルとスペインを視察。守田がゴールを決めたジル・ヴィセンテ戦に加えて、柴崎が途中出場したアルバセテ戦も視察している。
日本代表指揮官の来場はレガネスを驚かせ、クラブの日本語版ツイッター(@cdleganes_jp)は幹部と森保監督らが収まった写真とともに、こんなつぶやきを投稿している。
「日本からとんでもない方々に訪問いただきました……」
代表活動前はドイツとベルギーを中心に視察していた森保監督は、スタッフたちと手分けをしながら今度はスペインとポルトガルを回ったという。そのなかでわざわざラ・リーガ2部の試合に足を運んだのは、西野朗前監督のもとでコーチを務めた4年前のロシアワールドカップから、常に間近でそのプレーを見てきた柴崎へ、いまも厚い信頼感を寄せているからだろう。
カタール大会へ向けたチーム作りにあえてロシア大会を含めたのも、4年あまりの時間をトータルで判断する選考方法を強調するためだ。つまり柴崎が招集されれば代表歴の浅い選手、たとえば出場わずか1試合のMF旗手怜央(24、セルティック)の序列が下がる。