辛口の球界大御所がなんと?!阪神の岡田監督の“再登板”を支持「やっと監督らしい監督に…”アレ”狙える」
また広岡氏は、「打順も同じだ。我慢して固定しなければ、選手に責任感も生まれないし、その打順の役割というものが身についていかず、打線のつながりというものが弱くなる」という意見を持つ。岡田監督は、まだ打順については何も公式発言はしておらず、腹案として固めているのは、近本光司の1番と新外国人の6番だけ。
秋季、春季キャンプを見ながら、クリーンナップをどう組むのか、誰を2番に置き、佐藤か、大山か、どちらを4番に据えるかを見定めていくが、中心打者の打順をコロコロと動かすことを岡田監督も嫌っている。
岡田監督には、“アレ”と称する優勝を狙うと同時に、自らの後継者、そして若手指導者を育成するという使命も帯びている。今回は2005年のVメンバーで、金本知憲監督時代に2軍打撃コーチ、その後、千葉ロッテで2軍監督、1軍ヘッドコーチを務めた今岡真訪氏を打撃コーチで入閣させ、安藤優也、久保田智之という若い2人の2軍コーチを1軍に抜擢して、若いピッチングスタッフを預けることを決断した。
広岡氏は、「岡田ならコーチを育てることができる」と期待を寄せる。
「豊富な野球理論と優勝経験のある岡田ならコーチを育てることができるだろう。私はいつも口を酸っぱくして言っているが、最も大切なのはコーチなのだ。勉強熱心なコーチがいかに根気強く、選手に寄り添って、基本を徹底して教えられるかが、若手の育成、チームの土台作りにつながる。今の野球界は、巨人を筆頭に、そういう研究熱心なコーチも、それを教えることができる監督もいなくなっている。だが、岡田ならそれができると思う」
毒舌の広岡氏が、ここまで人を褒めるのは珍しいが、それだけ岡田阪神への期待が大きいということだろう。矢野前監督は、在任した4年間ですべてAクラスをキープしたが、優勝には手が届かなかった。足りないワンピースを埋めることに期待して、阪神は“アレ”を知る岡田監督の14年ぶりの再登板を決断したわけだが、広岡氏も「その監督人選は間違っていない」と見ている。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)