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WBC王者の寺地拳四朗(左)とWBAスーパー王者の京口紘人が共に計量をクリア(写真・山口裕朗)
WBC王者の寺地拳四朗(左)とWBAスーパー王者の京口紘人が共に計量をクリア(写真・山口裕朗)

全世界注目の10年ぶり日本人王者対決…WBC王者の拳四朗は「僕が有利」の豪語通り無敗のWBA王者の京口紘人に勝てるのか?

 関大出身の拳四朗と、大商大出身の京口は、2学年違うが、その学生時代に4度対戦して拳四朗の3勝1敗。4年前の後楽園ホールで2ラウンド行った“ガチ”の公開スパ―リングでは、1ラウンド目は打ち合いになり、京口が左フックをクリーンヒット。2ラウンド目は拳四朗がステップワークで翻弄し左ジャブで圧倒した。その拳に刻まれた記憶に加え、ダイレクトリマッチでベルトを奪い返した3月の矢吹戦では「ファイター」というバリエーションを増やした。豪語の根拠を質問された拳四朗は、「自信は練習で作った」と返した。確信にも似た返答である。
 一方の無敗の京口は「ルールも違うアマ時代の対戦や14オンスでヘッドギアを付けるスパーなど参考にならない」と語り、海外で2度防衛に成功するなど4年前から明らかに進化している。前日会見では。生物的に上回る」と、面白い表現を使って自信を口にしており、この日は、ゲッソリと頬のこけた拳四朗を見て減量の影響を指摘した。ユーチューブ活動も封印。拳四朗とは対照的にビッグマウスを控えている姿がかえって不気味だ。

 さてベルトを統一するのは、どちらなのか。拳四朗の自信が空回りすることにはならないのか。理論派で知られる元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏は「5.5対4.5」の僅差で拳四朗が有利の予想だ。
「距離とペースの奪い合いがポイントだろう。京口は近い距離で戦いたい。どうやって内側に潜って戦いパンチを当てるか。ただ追いかけるような展開は避けたいし、単発になるのが最悪のパターン。一方の拳四朗は、足を使った遠い距離の出入りのスピードでペースをつかみたい。ただ前回の矢吹戦ではインファイトと倒すパンチがあることを証明した。今回も京口の距離にしないため下がらずジャブでプレッシャーをかけると思う。問題はサイドを使うアウトボクシングと、インファイトの切り替え。拳四朗が変な色気を出して、逆に京口があえて引いて誘いをかけるようなパターンを使えば、形勢が逆転する可能性もある。いずれにしろ判定決着。駆け引きが勝敗を分けるし、その部分で僅差だが、拳四朗が上回っているのではないか」
 ポイントは拳四朗が前回の矢吹戦で見せたファイタースタイルをどれくらいの割合でどう使うかだ。この日、その質問を陣営にぶつけたが、“参謀”の加藤トレーナーは、「リングに上がってからどう感じるか」と明言を避けた。だが、拳四朗は「序盤からペースを握って倒したい」と断言した。
 アウトボクシングをしたら拳四朗が1枚上。しかも、ファイトスタイルを2つ持っている強みがあるが、出入りのボクシングだけで京口のプレッシャーから逃げ切ることは難しい。どこかで打ち合わねばならないし、京口にはショートフックやアッパーなどのインファイトの技術がある。カギを握るのはボディの攻防だろう。
「京口は独特の角度とタイミングでボディアッパーを打てる。拳四朗もボディは多彩。ただこれも距離が問題で、若干、拳四朗が遠くから打てる。消耗戦になればボディの攻防がカギを握ると思う」

 

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