全世界注目の10年ぶり日本人王者対決…WBC王者の拳四朗は「僕が有利」の豪語通り無敗のWBA王者の京口紘人に勝てるのか?
一方で飯田氏は、拳四朗の不安要素を指摘した。
「頬のこけ具合から減量の影響が心配。僅差の試合はコンディションが勝敗を左右する。過去のスパーなどの経験から拳四朗は自信を持っているのだろうが、プロボクサーはアマチュア時代の勝敗を意外と気にしていて、京口はプロでリベンジしたいとの思いが相当強いと思う。気合とモチベーションは京口が上回っているのでは」
モチベーションを比較すれば拳四朗には京口戦の向こうに描くビジョンがある。セミファイナルではWBOの同級王者のゴンサレスに“最も世界に近い男”岩田が挑戦するが、その勝者との3団体統一戦を熱望している。
この日は、計量の合間にゴンサレスと記念撮影。
「ゴンサレスに『統一戦をやろうぜ』と言われた。実現できればいいが、どっちが勝つかわかりません」と“直談判”を受けたことを明かした。
気合満点の岩田のタイトル奪取が濃厚だが、帝拳サイドも、「いずれやることになるだろう」と、3団体統一戦に前向きで、拳四朗が今回ベルトを統一すれば、バンタム級の“モンスター”井上尚弥(大橋)に次ぐ3団体統一王者への夢は広がる。
「目標は4団体統一だけど階級を上げての複数階級も考えている」
IBF同級王者、シベナティ・ノンティンガ(南ア)の興行権は京口が契約しているマッチルームが握っており、同プロモーター会社は、軽量級市場の拡大に力を入れているため、4団体統一戦の可能性も十分にある。
今回の試合は国内ではアマゾンプライムビデオで独占生配信されるが、米国ではESPNプラス、欧州ではDAZNで全世界でライブ中継される。世界にアピールするチャンスでもある。
拳四朗の囲み取材の最後に「今がピークか?」と質問した。
拳四朗が答えるより先に、練習拠点としている三迫ジムの三迫会長が「まだピークじゃない」と声を大にした。拳四朗も「うんうん」とうなずく。
「35歳くらいまではやるつもり。ピークはまだ先。まだ知らないことや学ぶことはたくさんある。ここからさらに上がっていく」
拳四朗と京口のライバル物語の結末やいかに。名勝負必至のファイトだ。
(文責・本郷陽一/RONSPO編集部)