「熱男」松田宣浩は本当に原巨人のV奪回戦力となるのか…プロの世界でムードメーカーは必要？！

「巨人のベンチには松田のように元気で明るいムードメーカーが不在だ。勝っていればいいが、今年のように負けているときのベンチはどうしても沈滞した雰囲気に見える。若い選手が多いチームは、どうしてもそうなる。本来ならば、坂本がリーダーシップを執らねばならないのだろうが、怪我や様々な問題などで、なかなか中心的な役割を果たせなかった。岡本は覇気を前面に出すタイプではないし、中田、丸、中島といった外から来たベテランも、ムードメーカータイプではない。そういう意味で松田のような実績と華があるムードメーカーを原監督は求めていたのだろう」
　プロ野球という集団においてアマチュア野球のようなムードメーカーが勝敗を左右することはあるのだろうか。
　橋上氏は「ある」という。
「高い技術で競うプロ野球だからこそメンタルが占める割合が多い。松田の存在は、侍ジャパンで旧知の坂本や中田、中島に刺激を与えるだろうし、何より岡本へ影響力が大きいと思う。原監督も現役時代は三塁。長嶋さんに代表される巨人のホットコーナーのイメージがあって、そういう三塁手に岡本が変わるためにも、松田の波及効果に期待を寄せたと思う。また伸び悩んでいる若手の手本になってくれればとの狙いもあるのだろう。ただプロなので、声を出すだけではリーダーにはなれない。結果が伴うことが条件になる。まして生え抜きでない選手だとなおさらそうだ」
　問題は橋本氏が指摘する松田のバッティングの復活だろう。
　今季はキャンプから逆方向への打球を意識するような打撃改造に取り組み、オープン戦で打率.345の数字を残して開幕スタメンを勝ち取ったが、シーズンに入ると結果につながらなかった。
「通算1831本に301本塁打という数字は、技術がなければ積み重ねることができない。だが、力が落ちていることは事実。代打で結果を残せるタイプではないが、経験と思い切りの良さを武器に、どこまで代打や一塁でチャンスをもらった場合に存在感を示すことができるか。松田、中島、長野の3人は、いずれも右打者で中島とはポジションもかぶる。結果が伴わねばベンチに、彼らを置く枠もなくなる。正直、松田の獲得は、メリット、デメリットの両面のある補強だと思う」と橋本氏。
　異色の「熱男」が巨人を変えるためには、自らのバットのV字回復が前提条件となりそうだ。
（文責・RONSPO編集部）