“未来のW杯戦士”の登竜門であるカタールW杯トレーニングパートナーに選ばれた若手10人が面白い…FC東京ルーキー松木玖生やバイエルン入りの福井太智ら
ワールドカップ出場から遠ざかっていたU-20、U-17両代表がヒノキ舞台に返り咲く環境を、技術委員長として整えてきた西野氏はロシア大会の帰国会見でこう語っている。
「日本のアンダーカテゴリーの各代表チームは、世界とも渡り合える力を持っている。スケールが大きく、ダイナミックで、日本人らしいテクニックを使ったサッカーが期待できる」
技術委員長時代の経験が、日本の将来を担う世代をワールドカップ本大会に帯同させるプランにつながった。たとえば前回ロシア大会で、U-19代表はベースキャンプ地のカザンで西野ジャパンの選手たちと同じ時間を共有。トレーニングマッチも行い、日本が2-1で勝利したコロンビア、2-2で引き分けたセネガル両代表戦をスタジアムで観戦した。
当時のU-19代表に名を連ねていた一人が、17歳だった久保となる。
所属していたFC東京とプロ契約こそ結んでいたものの、当時の主戦場はFC東京がU-23チームを参加させていたJ3リーグ戦だった。しかし、帰国後のミーティングでロシア遠征の感想を求められた久保は、チームメイトたちの前でこんな言葉を残している。
「武藤(嘉紀)選手と岡崎(慎司)選手の攻守の切り替えの速さが半端なかった」
FC東京U-23を率いていた安間貴義監督(53、現FC東京ヘッドコーチ)は、いい意味で久保の言葉に驚くとともに、成長の跡を感じずにはいられなかったと語っている。
「誰が上手いとかすごいとかではなく、攻守の切り替えの速さといった点に着目するのは、これまでの彼にはなかった部分でした」
久保は直後に期限付き移籍した横浜F・マリノスでJ1初ゴールをマーク。2019シーズンに復帰したFC東京でブレークを果たし、同年6月にレアル・マドリードへ旅立った。久保の努力もあるが、思考回路に刺激を与えた意味でロシアでの経験がクローズアップされてくる。
当時のU-19代表からは久保と、DF伊藤洋輝(23、シュツットガルト)がカタール大会代表に選出された。さらにGK大迫敬介(24、サンフレッチェ広島)やGK谷晃生(21、湘南ベルマーレ)、DF橋岡大樹(23、シントトロイデン)、DF菅原由勢(22、AZ)、MF安部裕葵(23、バルセロナB)、FW田川亨介(23、サンタ・クララ)がA代表でのプレー経験を持つ。