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横浜F ・マリノスのFW水沼宏太がすべてのゴールに絡む活躍を演じて3-1で神戸に快勝して3シーズンぶり5度目のV(資料写真・アフロ)
横浜F ・マリノスのFW水沼宏太がすべてのゴールに絡む活躍を演じて3-1で神戸に快勝して3シーズンぶり5度目のV(資料写真・アフロ)

なぜ横浜F・マリノスは3季ぶり5度目のJリーグ制覇を果たせたのか…リンクした3つの思い

 中京大中京高(愛知)から直接ヨーロッパへ挑んだ宮市は、昨夏に加入したマリノスで28歳にしてJリーグでデビュー。今シーズン前半からスピードを武器としたプレーが輝きを取り戻し、約10年ぶりに日本代表へも復帰した矢先にアクシデントに見舞われた。
 宮市が前十字靱帯断裂の重症を負うのは右膝だけで2度目。左膝も含めれば3度目になり、すべてで長期離脱を余儀なくされてきた。またも繰り返された大怪我の連鎖に、今回の受傷直後は現役引退も考えたと自身のSNSで明かしている。
 それでもマリノスのチームメイトをはじめとするサッカー関係者、代表でともにプレーした選手、そしてファン・サポーターから届いたエールを受けて翻意。再び過酷なリハビリへ臨む決意を固めた宮市を、マリノスもチームをあげて後押しした。
 宮市が怪我を負ってから初めて迎える試合だった7月30日の鹿島アントラーズ戦。選手たちは背番号がすべて「17」で統一され、胸の部分には「亮 どんな時も君は一人じゃない」と綴られた特製ユニフォームでウォーミングアップに臨み、試合も2-0で快勝した。
「彼だけを美談にするつもりはなかったんですけど……」
 神戸戦後の取材エリアへ最後に姿を現した、キャプテンのMF喜田拓也(28)はメディアで大きく取り上げられた宮市との絆にまずこんな断りを入れた。それでも「宮市のために」や、あるいは「宮市とともに」という思いがマリノスという組織全体で共有され、時間の経過とともにどんどん大きくなっていった先に実現した光景を嬉しそうに振り返った。
「宮市選手のキャリアや背景を考えても非常に大きな怪我でしたし、僕たちに与える影響も大きかった。宮市選手は報われるべき取り組みをしていましたし、彼のチームに対する思いを最後、絶対にああいう形で表現したかった。彼自身が報われた思いでいてくれれば嬉しい」
 喜田が言及した「ああいう形」とは、優勝シャーレを掲げる役割を指す。3シーズンぶり5度目の優勝決定の余韻が残るピッチで行われる表彰式。そのクライマックスで、喜田に続いて大役を任された宮市は「シャーレは想像以上に重たかった」と照れくさそうに振り返った。
「今シーズンを戦ってきた重みや、優勝の重みというものを感じました。僕なんかが2番目に掲げさせてもらって、本当におこがましいぐらいなんですけど」
 2019シーズンの優勝を決めたFC東京との最終節の先発メンバーからは、喜田を除いた10人が入れ替わっている。3年前に得点王とMVPに輝いた仲川は神戸戦をリザーブで迎え、得点王を分かち合ったMFマルコス・ジュニオール(29)はベンチ外だった。

 

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