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川崎フロンターレからW杯代表に選ばれた谷口(左)と山根。谷口は鼻骨骨折を負った
川崎フロンターレからW杯代表に選ばれた谷口(左)と山根。谷口は鼻骨骨折を負った

森保ジャパン最終ラインの“野戦病院化”が止まらない…冨安に続き谷口も鼻骨骨折…大丈夫なのか?

 ディフェンス陣が野戦病院化している状況は、報道を介して谷口も把握していた。
「そういう情報はもちろん入っていますけど、でも怪我人が出たからとかではなくて、いつどんなときにチャンスが来てもいいような準備を常にしているつもりですし、それはこれからも変わらない。とにかくチャンスを得られるように努力していきたいし、チャンスが回ってきたときにはしっかりとプレーができるように、気を引き締めながらやっていきたい」
 カタール大会へ向けた準備のひとつがフェイスガードの着用となる。
 フェイスガードを着用してのプレーといえば、2002年日韓共催W杯でのDF宮本恒靖(現JFA理事兼会長補佐)が真っ先に思い出される。大会直前の練習試合で鼻骨を骨折した宮本は、兵庫医大病院が医療器具として用意した黒色のフェイスガードを装着してプレー。フィリップ・トルシエ監督に率いられる日本のW杯初勝利と、決勝トーナメント進出に貢献した。
 最終ラインをけん引する宮本の姿が海外メディアから「バットマン」と命名され、日本を含めて大反響を呼んだ。当時を「宮本さんはめちゃくちゃかっこよかった」と振り返った谷口は、これまでのキャリアで装着した経験のないフェイスガードへも前向きな姿勢を見せた。
「処置次第ではそういうの(フェイスガード)をつけてやらなければいけないので、もちろん話を進めていきます。なるべく早くやっていかないと、という感じですね」
 実際にフェイスガードを着用する場合、視野を妨げないように、顔の形やサイズなどをしっかりと測った上で発注しなければいけない。9日には日本を発つだけに、谷口は限られた時間のなかで最大限の準備をするべく、端正なマスクをよりいっそう引き締めた。
 体調不良で5日のアウクスブルク戦を急きょ欠場したMF鎌田大地(26、フランクフルト)やMF田中碧(24、デュッセルドルフ)を含めて、離脱している選手たちの情報はクラブ側から発表されていない。来週末までシーズンが続く状況を踏まえれば、致し方ないといえるだろう。
 一方で3試合ぶりに出場したMF守田英正(27、スポルティング)がゴールを決め、ピッチにこそ立たなかったものの、右肩を脱臼していたMF久保建英(21、レアル・ソシエダ)も6日(日本時間7日未明)のバレンシア戦でベンチ入りした。右膝内側側副じん帯を断裂し、リハビリ中だったFW浅野拓磨(27、ボーフム)の復帰も近いとドイツでは報じられた。
 国内組の代表選手たちに先駆けて、今日7日には森保監督らコーチングスタッフが日本を発つ。事前にヨーロッパに派遣していたドクターやトレーナー、そしてJFAヨーロッパオフィス駐在員から寄せられる情報などを踏まえながら、カタールの地で最終的な準備を進めていく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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