日ハム北海道新球場のファウルゾーン「3m短い問題」の「来季開幕OK、2年かけて改修」のNPB“裁き”をどう評価すべきか？

　来年3月に開業する日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」のバックネットまでのファウルゾーンが「公認野球規則」に定められた距離に3m足りずに狭いという違反問題について決着がついた。14日、12球団代表者会議が行われ、日ハムの川村浩二球団社長兼オーナー代行が、一連の不手際に関する謝罪と、23、24年オフに規則通りのサイズに直す具体的な改修案を示したことで、現状の違反状態のまま来年開幕を認め、2年間による改修案を了承した。新球場の使用が認められない最悪のケースも考えられただけにファンも一安心の決着となったが、今回の騒動の問題は、どこにあったのか。元千葉ロッテの“モノ言う評論家”、里崎智也氏の意見を聞いた。

　来年３月３０日開幕戦から１シーズンは現状のままでＯＫ

　日ハムの新球場のファウルゾーン「3m足りない問題」に決着がついた。この日の12球団代表者会議で日ハムの川村球団社長が、事前にNPBの野球規則委員会への確認などを怠り、独自の見解で工事を進めて、バックネッドまでのファウルゾーンが公認野球規則に定められている距離を満たしていないという騒動を起こし、関係者並びファンに多大な迷惑をかけたことを謝罪。すでに工事が95％進捗しており、来年3月の開幕に改修が間に合わないことから、23年オフ、24年オフの2年をかけてファウルゾーンの距離を規則通りに直す具体的な改修案を提案。代表者会議は、全会一致でその提案を了承して来年3月の開幕は現状の野球規則より「3m短い」ままの状態でスタートすることが決定した。
　日ハムは3日、メディアに新球場のお披露目を行い、来年の竣工を待つばかりだったが、7日のプロ野球実行委員会で新球場の本塁からバックネットまでの距離が50フィート（15.18m）で設計され、公認野球規則2.01「競技場の設定」に定められている「本塁からバックストップまでの距離、塁線からファウルグラウンドにあるフェンス、スタンドまたはプレイの妨げになる施設までの距離は、60フィート（18.288m）以上を必要とする」との規則を満たしていないのではないか？との指摘を受けた。
　明らかなルール違反が、開場直前になって発覚したわけだが、すでに工事の95％が進捗しており、約3mの距離を拡張する改修工事が来年の開幕に間に合わないため、日ハムの対応及び、NPBの結論が注目されていた。ファンにとっては、開業延期の最悪の事態は回避されたわけだが、今回のNPBの裁きをどう評価すべきなのか。
　里崎氏は「妥当な妥協案。“大岡裁き”と言っていいのでは？」と評価した。
「ルールがある以上、それを12球団が守るのは当たり前の話。私は来年の開業には、もう間に合わないので、2023年オフに改修する案しか落としどころはないと考えていたが、改修に2年間の猶予を与えるのだから、NPB側が、かなり日ハムに歩み寄った決着だったと思う」