メイウェザーはドバイで英ユーチューバーを6回TKOに葬り一体いくら稼いだのか…最低保証が約13億円で最大PPVボーナスがなんと約208億円?!
プロボクシングの無敗の元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー・ジュニア(45、米国)が13日(日本時間14日)、UAEドバイのコカ・コーラアリーナで英国の人気ユーチューバーのデジ・オラトゥンジ(25、英国)と2分×8回のボクシングルールのエキシビションマッチで対戦し6回TKO勝利した。両者の技術差は明らかでメイウェザーは遊んでいたが、6回に仕留めにかかり、ダウンシーンはなかったが動きが止まったところでレフェリーがストップした。今回のファイトマネーの最低保証が1000万ドル(約13億9000万円)で欧米への配信を行ったDAZNのPPVの出来高払いとして売り上げの最大80%の1億5000万ドル(約208億円)が加算されるという。メイウェザーはわずか12分弱の“イージーな戦い”でいくら稼いだのだろうか。
力の差歴然の緊迫感ゼロのエキシビションマッチ
真打ちがリングに登場したのは、格闘技イベント「グローバル・タイタンズ」の開始から5時間半が過ぎようとしていた現地時間の真夜中だ。
遅刻が常套のメイウェザーが理由なのか、進行自体の問題なのか、不明だったが、メイウェザーは、悪びれる様子もなく、お抱えラッパーの生歌で入場してきた。ボクシングルールによる2分×8ラウンドのエキシビションマッチ。ゴングが鳴るとメイウェザーは薄笑いを浮かべてまるでダンスを踊るかのようにプレッシャーをかけた。
登録者数が世界で1000万人を超える人気ユーチューバーのデジはプロ経験1戦だけ。4年前には、同じく人気ユーチューバーで、セミファイナルではリングサイドにきてトラッシュトークで場内を盛り上げていたジェイク・ポール(米国)にアマチュアの試合でTKO負けを喫している。左構えのデジは、亀のようガードを固めて、ジャブから一矢を報いようとするが、あまりにも力の差は歴然だった。緊迫感はゼロだ。
メイウェザーは左のジャブ、右のボディ、左右のフック、ストレートと、おそらく20、30%程度の出力でパンチを繰り出して遊んだ。
9.5キロの体重差など関係なかった。
第4ラウンドには、右ボディがローブロー気味に当たったことを朝倉未来戦でもレフェリーを務めたケニー・ベイレス氏に注意されると、デジを無視して血相を変えて何やらレフェリーに文句を言った。ベイレスは、メイウェザー対マニー・パッキャオ(フィリピン)戦や村田諒太や井上尚弥の世界戦もさばいたことがある名レフェリーだが、メイウェザーはおかまいなし。ほとんどデジには触れさせていなかったが、このラウンドの合間に腫れた左目の下をアイシング器具で冷やしていた。
そして6ラウンド。遊んでいたメイウェザーが意を決したかのようにガードを固めプレッシャーを強めてフィニッシュに来た。ラウンド間に「オレはまったくノーダメージだ」とばかりにデジが腕立て伏せのパフォーマンスをしていたことが「ザ・マネー(金の亡者)」のプライドを傷つけたのか。ついに力を入れた左右のストレートを放ち始めると、デジはたまらずクリンチ。舌を出したメイウェザーは、それをふりほどき、ノシノシと追い回し、左のアッパーのトリプルから右のストレートでロープへつめる。デジのパンチの打ち終わりに右ストレートを合わせ、左右のスイング系のパンチを強打。ユーチューバーをグロッキー寸前に追い込むと、コーナーで強烈な左フックをガードの上から叩き込んだところでベイレス氏が間に入ってTKOを宣告した。
ダウンシーンはなかったが、デジも納得の表情。メイウェザーは那須川天心戦後と同じく腰を振って勝利のダンスを踊った。
リング上でアナウンサーからマイクを向けられたメイウェザーは、「デジがいなかったら、この試合はできなかった。感謝したい」と上機嫌。「これはエンターテインメントだ。楽しくやるべきなのだ」と、エキシビションに対する持論を繰り返して「私も一夜でこのようになったわけじゃない。努力して積み上げてきたのだ。もっと夢を追いかけて努力して欲しい」と、デジに激励の言葉と共に自らが持参してきたベルトを進呈した。