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森保監督は現地での会見で「十分に戦っていける選手層があるということを明日の試合で確認したい」と語った
森保監督は現地での会見で「十分に戦っていける選手層があるということを明日の試合で確認したい」と語った

今日カナダ戦…W杯最後の調整試合に冨安、遠藤ら主力4人を欠く森保ジャパンは一体何をテーマに戦うのか?

 指揮官自らが日本サッカー協会へマッチメークを要望。ドイツ代表とのグループステージ初戦の6日前というタイミングで実現したカナダ戦のテーマを、森保監督はあらためて説明した。
「まずは大きなテーマとして、W杯を総力戦で戦うためにチーム全体のコンディションを上げる。その上で状態が不確定な選手のコンディションを見極めたい。W杯に向けた準備はもちろんだが、主体的に戦うためのコンセプトを確認した上でドイツ戦に向かいたい」
 カタールW杯に臨む上での基本的な戦い方は、9月のドイツ遠征で共有できた。
 アメリカ代表に2-0で快勝した前半は、カナダ戦の予想先発とは異なっていた。センターバックの一角で冨安、左サイドバックで中山雄太(25、ハダースフィールド)、ダブルボランチで遠藤と守田、1トップで前田大然(25、セルティック)がそれぞれ先発。相手にボールを持たれる展開をまず想定しながら、前線からのハイプレスとリトリートを使い分ける戦法を徹底した。
 このときのメンバーが“主軸”となるが、ヨーロッパのシーズンの真っ只中に開催されるカタール大会は、十分な準備時間が取れる従来の大会とは違った。実際にメンバー発表直後に中山が右アキレス腱を負傷。今シーズン中の復帰が絶望となり、無念の代表辞退を余儀なくされた。
 さらに冨安が右太ももを負傷し、遠藤が試合中の脳振とうで戦列を離れた。守田は古傷に違和感を覚え、W杯による中断前の最終戦を発熱で欠場した三笘はいつ合流できるのかが未定だ。国内組ではDF谷口彰悟(31、川崎フロンターレ)が5日のJ1リーグ最終節で鼻骨を骨折。最終的には装着しない方針を固めたが、一時はフェイスガード姿で練習に参加していた。
 指揮官が自信と信頼を込めて選出したW杯代表に、残念ながら不測のアクシデントが起こってしまった。だからこそ、他のメンバーでも柔軟に対応できると証明しなければいけない。
 この日午前中にドーハからチャーター便でドバイ入りした直後に、森保監督は田中、柴崎、板倉、そして浅野にカナダ戦の先発を告げた。森保ジャパンの始動時から継続的に招集されている柴崎は、ベスト16で敗れた前回ロシア大会の反省を踏まえて次のように訴え続けてきた。
「いろいろなタイプの、さまざまな状況に高いレベルで対応できる選手が必要になる、というところで言えば、早い段階から競争力のある日本代表チームを作り上げていかないといけない。誰が出ても変わらないような、30人くらいのチームを作り上げなければいけない。交代選手も含めてさらに一丸となって戦わないと、ベスト16の壁は突破できないと思っている」
 いまも考え方は変わらない。カナダ戦へ向けた公式練習後の取材エリア。先発出場を含めて、出場機会が減った森保ジャパンでの軌跡を振り返りながら柴崎は言葉を紡いでいる。
「もちろん自分が試合に出たいという思いはあった。でも、それ以上に日本代表チームの勝利のためにプレーしながら、日々の行動、生活のなかでやっていく、という思いの方を強く持っていた。決して試合に出る11人だけではなく、26人の誰一人として欠けてはいけない」

 

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