全米メディアは大谷翔平の“MVP争い”完敗をどう報じたか…30人中1位票を投じたエ軍番記者2人を「恥を知れ」と批判したラジオ司会者も
スポーツメディア「ジ・アスレチック」でオリオールズ担当記者であるダン・コノリー記者は「9月の終わりころまで(MVPをジャッジか大谷に入れるか)行ったり来たりしていた。大谷は、私の人生でかつて見たことのない結果を残したが、ジャッジの62本塁打もそうだった。ジャッジに記録を更新する可能性が出てきて、3冠王にも近づいたとき、私はジャッジを選び、2位を大谷とした。最後まで接戦だったが、ジャッジが記録を打ち立てた時に、自分の選択は、少しばかり確信を深めた」と説明。
タンパベイ・タイムズ紙のマーク・トプキン記者は、「ジャッジに入れる前に葛藤した」と明かした。
「大谷がやり遂げたことは、また一度並外れたもので、かつて見たことのない素晴らしいシーズンだった。他の年であれば、彼は明らかにMVPだっただろうと思う。しかし、今年ジャッジがやり遂げたことは、偽りなく歴史的なことで、ポストシーズン進出へ向け彼の助けが必要なチームにもたらされたものだった」。
またセントポール・パイオニアプレス紙のベッツィ・ヘルファンド記者は、「大谷のシーズンを当然のものだと捉えないことが重要だと感じている」とEメールで返答してきた。最終的に同記者は、FanGraphsのWAR(勝利への貢献指標)でジャッジの11.4が大谷の9.5よりわずかに高かった点でジャッジに投票したという。
「2人共に素晴らしいMVPの候補。とても難しい決断だった」
また一方でエンゼルス担当記者の2人が、大谷に1位票を投じたことで、ジャッジの満票選出とならなかったことに異議を唱える声もあった。
ラジオ局FOXスポーツラジオは、「ロブ・パーカー『ジャッジのMVPは満票であるべきだった』との見出しで、同局の番組「The Odd Couple with Chris Broussard and Rob-Parker」で司会を務めたロブ・パーカー氏のコメントを紹介した。
「ジャッジが勝ってよかった。大谷は、投手として素晴らしくMVPを勝ち取った昨年よりも実際、良いシーズンを送った。だが、歴史的に見れば、ジャッジが成し遂げたことは、記録に名を残すものだ。彼に1位票を入れなかったロサンゼルスの記者2人は恥を知るべきだ。彼らは(ロサンゼルスが)地元だから1位票を入れたのだ。5月以降(チームが弱かったことで大谷が)意味のある試合をプレーしてこなかったことを考えれば、どうやったら大谷がMVPなどと信じられるだろうか。その存在に(番記者として)近く寄りすぎることは厄介なことになる。投票はそのようにされるものではない」
パーカー氏は、辛辣に大谷に投票した2人の記者を批判した。米国らしい自由な意見だが、エンゼルスや大谷のファンの間からは物議を醸す発言となったようである。