W杯前に徹底される“森保のカーテン”…ドイツ戦まで4日連続の練習非公開が決まった理由とは?
遠藤はスプリントやボールを使ったトレーニングを実施。守田はジムでの調整をへて、屋外に出てボールの感触を確認した。ドーハ入り後で最初のトレーニングに臨んだ三笘は、ピッチの周りをジョギングし、最後にはボールを使った軽めのメニューも消化した。
ダブルボランチを組む上でのファーストチョイスと、攻撃の切り札となるドリブラー。チームの主軸を構成する3人の状態を自分の目で確かめるために、森保監督も練習拠点であるカタールの強豪クラブ、アル・サッドのトレーニング施設を訪れた。
その流れで応じた囲み取材。質疑応答では幻と化したプランも明らかになった。
国際サッカー連盟(FIFA)に承認されているカナダとの国際親善試合を終えた後に、さらに45分間の練習試合を組む方向で当初は調整していた。たとえるなら“3本目”で思い出されるのが、岡田ジャパンが2010年の南アフリカ大会直前に戦ったコートジボワール代表戦だ。
国際親善試合となる90分間を0-2で敗れた日本は、追加の45分間を1-0で勝利。練習試合扱いとなった45分間で躍動したMF松井大輔、DF駒野友一らがW杯本番でもレギュラーを射止め、芳しくなかった下馬評を覆してのベスト16進出に貢献した。
練習試合を組むには対戦相手のカナダやUAEサッカー協会、試合会場のアルマクトゥームスタジアムをホームとするアル・ナスルなどとの調整も必要になる。しかし、11月1日の代表メンバー発表を前にして、前後半の90分間だけで試合を行う形で落ち着いた。
エクストラを設けなかった理由を、森保監督はチーム状態に帰結させた。
「当初は3本目も行う予定でしたけど、選手たちの状態を見たときに3本目はやらない方が、チームにとって最善だと判断しました。カナダ戦を決めてから選手の状態など、いろいろなものが変わってきたので、それらを見極めて3本から90分の試合にしてほしいとお願いしました」
カナダとの国際親善試合が決まったのが9月8日。直後にFW浅野拓磨(28、ボーフム)が右膝、DF板倉滉(25、ボルシアMG)が左膝の内側側副じん帯を損傷して離脱。MF田中碧(24、フォルトゥナ・デュッセルドルフ)も10月下旬に右膝を痛めて離脱を余儀なくされた。